聴濤弘

聴濤 弘の生涯と業績

聴濤 弘（きくなみ ひろし、1935年8月27日生まれ）は、日本の政治家であり、政治評論家として広く知られています。日本共産党に所属し、参議院議員を1期務めました。彼は衆議院議員として1949年から1950年まで活躍した父、聴濤克巳の息子であり、日本共産党では親子で国会議員を務めた唯一の例となっています。

来歴

聴濤は東京都で生まれ、京都大学の経済学部に在籍しましたが途中で中退しました。そして、1960年から1965年にかけて旧ソ連に留学しました。この留学経験は、彼の政治思想や見解に大きな影響を与えたと考えられます。

帰国後、1967年から日本共産党中央委員会に勤務を開始しました。ここでは政策委員や社会科学研究所事務局次長などの役職を経て、1992年の参院選において比例区から出馬し当選を果たしました。参院当選後は、政策宣伝委員会の責任者として特にメディアへの露出が多く、党の顔としての役割を果たしました。

1997年に日本共産党の第21回大会で、宮本顕治の引退に伴い中央役員を引退し、名誉幹部会委員に就任しました。このように現職の国会議員が中央役員を退くのは非常に珍しいことでした。彼は1998年に引退を表明し、その後も国際部長や常任幹部会委員を歴任しましたが、2000年には名誉議長や名誉幹部会委員が廃止された際に名誉職を失いました。以降、聽涛 弘の表記で著作活動を行い、最近では聽濤 弘の名義を用いています。

主な著作

聴濤は多くの著作を発表しており、主な単著には次のような作品があります：

• - 『21世紀と社会主義』（1984年）
• - 『社会主義をどうみるか』（1986年）
• - 『資本主義か社会主義か』（1987年）
• - 『ソ連はどういう社会だったのか』（1997年）
• - 『新ロシア紀行 : 見たこと、聞いたこと、読んだこと』（2004年）
• - 『カール・マルクスの弁明 : 社会主義の新しい可能性のために』（2009年）
• - 『レーニンの再検証 - 変革者としての真実』（2010年）
• - 『マルクス主義と福祉国家』（2012年）
• - 『マルクスならいまの世界をどう論じるか』（2016年）
• - 『ロシア十月革命とは何だったのか』（2017年）
• - 『200歳のマルクスならどう新しく共産主義を論じるか』（2018年）
• - 『マルクスの「生産力」概念を捉え直す 社会変革の新しい道筋のために』（2021年）

また、共著や訳書も数多く手がけており、特にレーニンの著作に関するものが多く見られます。彼の著書は、社会主義や資本主義についての考察を深め、多くの読者に影響を与えています。

まとめ

聴濤 弘は、戦後日本の政治において重要な役割を果たした人物であり、彼の思想や著作は現在も多くの議論を呼んでいます。彼の生涯は、政治の世界における家族的な伝統や、自らの信念に基づく活動がどのように展開されるかを示す一例となるでしょう。

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