肉吸い (料理)

肉吸い

肉吸い（にくすい）は、大阪府の一部飲食店で見られる料理です。名前の通り「肉の吸い物」という意味で、肉うどんからうどんを抜いたものが基本形です。

概要

鰹節や昆布などを使用した関西風の出汁をベースにしたつゆに、薄切りの牛肉と半熟状態の卵が入っています。シンプルながらも出汁の旨味と牛肉のコクが味わえる、飲みやすい一品です。卵なしや豆腐入りのものなど、バリエーションも存在します。

発祥

肉吸いの発祥は、大阪・難波千日前にあるうどん店「千とせ」とされています。

1980年代後半、吉本新喜劇の俳優であった花紀京が、舞台の出番の合間に「千とせ」を訪れました。二日酔いで食欲がなかった花紀京は、店主に「肉うどん、うどん抜きで」と注文しました。当時の店主がその要望に応えたことがきっかけとなり、肉吸いが誕生したと言われています。

肉吸いは、口コミで徐々に広まり、「千とせ」の一番人気メニューとなりました。ダウンタウンや明石家さんまといった人気芸人が、テレビやラジオで「うどん屋なのにうどんを出さない店」と紹介したことで、さらに知名度を高めました。多くの芸人が「千とせ」の肉吸いを食べたことが、吉本芸人の間で「千とせに行けば売れる」という験担ぎとして広まっていきました。

広がり

近年では、大阪以外の地域でも肉吸いが知られるようになり、豚肉や油かすを使用するなど、さまざまなアレンジが生まれています。

発祥店である「千とせ」では、肉吸いを卵かけご飯（「小玉」と呼ばれています）とセットで食べるのが定番となっています。肉吸いの出汁をご飯にかけて食べるのが美味しいと評判です。

サークルKサンクスは、「千とせ」とのコラボ商品として、レンジアップスープ「千とせ 肉吸い」を期間限定・地域限定で2008年2月に発売しました。好評を博したため、2010年2月には期間限定で全国販売されました。

セブンイレブンは2022年9月から「千とせ監修 肉吸い」を販売し、手軽に肉吸いの味が楽しめるようになりました。

関連項目

* 天ぬき：天ぷらそばのそば抜き。肉吸いと同様に、麺類から麺を抜いた料理です。

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