肝付兼光

肝付兼光は、室町時代に活躍した武将であり、島津氏の家臣として知られています。彼の人生は、兄弟間の不和と、そこから自身の道を切り開いた波乱に満ちたものでした。

兼光の父である肝付兼忠と、長兄である国兼の関係は非常に険悪でした。次兄の兼連は、この不仲に乗じて国兼を領地から追放するという強硬手段に出ます。兄弟間の争いを憂いた兼光は、兼連に対して国兼との和睦を提案しますが、残念ながらこの提案は受け入れられませんでした。自身の意見が受け入れられなかったことに失望した兼光は、一族の元を離れ、島津氏の配下となることを決意します。

島津氏の家臣となった兼光は、大崎町の天子ヶ丘集落周辺に目をつけ、この地に大崎城を築城しました。この城は、彼の新たな拠点として、また島津氏の勢力拡大に貢献する重要な役割を担いました。兼光は、この地を中心に勢力を広げ、その後の歴史に名を残すことになります。

文明15年（1483年）、肝付兼光はこの世を去りました。彼の築いた大崎城は、その後も重要な拠点として機能し続け、その歴史は後世に語り継がれていきます。家督は嫡男である兼固が継ぎ、肝付家の歴史はさらに続いていくことになります。

なお、兼光が築城した大崎城は、天正5年（1577年）に馬場・丸尾・城内集落一帯に新たに築城された大崎城に対して『旧大崎城』と呼ばれるようになりました。これは、時代の変遷とともに城の場所や構造が変化したことを示すものです。兼光が築いた大崎城は、その後の大崎城の歴史を語る上で欠かせない存在であり、今もなおその足跡を辿ることができます。

兼光の生涯は、一族の争いの中で自身の信念を貫き、新たな道を切り開いた人物として、多くの人々に記憶されています。

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