肝付兼逵

肝付兼逵（きもつき かねみち）

肝付兼逵は、江戸時代中期の薩摩藩において重要な役割を担った人物です。喜入肝付氏の6代目当主として、その名を歴史に刻んでいます。喜入肝付氏は、肝付氏本家から分かれた庶流であり、その祖は肝付氏12代当主・肝付兼忠の三男である兼光に遡ります。兼逵は、この由緒ある家系の後継者として生まれました。

生い立ちと元服

兼逵は、貞享3年（1686年）に肝付兼柄の子として誕生しました。幼少の頃から武士としての教育を受け、元禄9年（1696年）には、藩主・島津綱貴の面前で元服を果たし、一人前の武士として認められました。この元服は、彼の人生における重要な節目であり、その後の活躍を予感させるものでした。

家督相続と藩政への貢献

享保3年（1718年）、父・兼柄の死去に伴い、兼逵は喜入肝付氏の家督を相続しました。同年、彼は勘定奉行という重要な役職に任命され、藩の財政運営に携わることになりました。勘定奉行としての彼は、その手腕を発揮し、藩財政の安定に大きく貢献しました。その後、享保19年（1734年）には寺社奉行にも任命され、藩内の寺社行政においてもその才能を発揮しました。これらの役職を通じて、兼逵は薩摩藩の政治に深く関わり、その発展に寄与しました。

江戸への使節

享保7年（1722年）、兼逵は謝恩使として江戸に下り、江戸城で将軍・徳川吉宗に拝謁するという重要な任務を果たしました。この拝謁は、藩の代表として幕府との関係を円滑にするためのものであり、兼逵の外交能力を示すものでした。江戸での彼の行動は、薩摩藩の威信を高める上で重要な役割を果たしました。

その死

元文4年（1739年）4月1日、肝付兼逵は54歳でその生涯を閉じました。彼の死は、薩摩藩にとって大きな損失であり、多くの人々がその死を悼みました。彼は、喜入肝付氏の当主として、また薩摩藩の重臣として、その名を歴史に刻んだのです。

まとめ

肝付兼逵は、江戸時代中期の薩摩藩において、勘定奉行や寺社奉行を歴任し、藩政に大きく貢献した人物です。また、江戸への使節としても活躍し、将軍との拝謁を果たすなど、その功績は多岐にわたります。彼の生涯は、薩摩藩の歴史において重要な位置を占めており、後世に語り継がれるべきものです。

参考文献：「喜入村郷土史」

もう一度検索