肝生検

肝生検とは

肝生検は、肝臓の組織の一部を採取し、その状態を詳しく調べるための医療処置です。この検査は、肝臓の病気の診断、病気の進行度の評価、治療効果の判定など、多岐にわたる目的で行われます。肝生検を行うことで、肝臓の細胞レベルでの詳細な情報が得られ、より適切な治療方針を立てる上で重要な役割を果たします。

肝生検の方法

肝生検には、主に二つの方法があります。

1. 超音波ガイド下肝生検：
超音波検査機器を使用し、リアルタイムで肝臓の位置を確認しながら、体外から生検針を肝臓に刺します。
この方法は、比較的侵襲が少なく、安全性が高いとされています。
2. 腹腔鏡下肝生検：
腹腔鏡を用いて、お腹の中に小さなカメラを挿入し、直接肝臓の状態を観察しながら生検を行います。
この方法は、より詳細な観察が可能であり、必要に応じて他の処置を同時に行うこともできます。

どちらの方法でも、採取された肝臓の組織は、顕微鏡で詳しく観察されます。これにより、細胞の形態や構造、炎症の有無、線維化の程度など、様々な情報を得ることができます。

肝生検の適応

肝生検は、以下のような場合に実施が検討されます。

急性肝炎：原因の特定や重症度の評価のために行われます。
慢性肝炎：肝炎の進行度や治療効果を判定するために実施されます。
肝臓内腫瘍：腫瘍の種類や悪性度を診断するために不可欠です。
原因不明の肝炎：肝炎の原因を特定するために行われます。
原因不明の黄疸：黄疸の原因を明らかにするために実施されます。
アルコール性肝炎：重症度を評価するために行われることがあります。
その他：薬剤性肝障害や自己免疫性肝炎などの診断、肝移植後の拒絶反応の確認にも用いられます。

肝生検の禁忌

以下のような場合には、肝生検が禁忌となることがあります。

血液の凝固異常：血小板減少やプロトロンビン時間の延長など、出血のリスクが高い場合。
肝血管腫が疑われる場合：出血のリスクが高いため、慎重な判断が必要です。

肝生検の合併症

超音波ガイド下肝生検は、比較的安全な検査ですが、まれに合併症が起こることがあります。

痛み：検査後、一時的な痛みを感じることがあります。
出血：肝臓内、腹腔内、胆道内などで出血が起こることがあります。通常は軽度ですが、まれに重篤な出血となることもあります。
他臓器の穿刺：まれに、肺などの他の臓器を傷つけることがあります。
感染：ごくまれに、感染が起こることがあります。
ショック：まれに、検査中にショック状態になることがあります。

肝生検を受ける際の注意点

検査前には、医師から検査の説明を受け、疑問点があれば必ず確認しましょう。
検査当日は、指示された食事制限を守りましょう。
検査後は、安静を保ち、体調の変化に注意しましょう。
出血や腹痛などの異常を感じた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

関連する病気

肝生検は、以下の肝臓疾患の診断や治療方針の決定に役立ちます。

脂肪肝：肝臓に脂肪が過剰に蓄積する病気。
肝硬変：慢性的な肝臓の炎症により、肝臓の組織が硬く変化する病気。

肝生検に関する情報源

さらに詳しい情報は、以下のサイトで確認できます。

* 肝生検&腹腔鏡検査（肝炎情報センター内の項目）

この情報を参考に、肝生検について理解を深めていただければ幸いです。

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