背負投

背負投（せおいなげ）

背負投は柔道における代表的な投技であり、その技術は非常に広く知られています。この技は、正式には講道館や国際[[柔道連盟]]（IJF）で定められた手技の一つで、他の投げ技と比べても特に人気があります。背負投には、別名やバリエーションが多く存在し、特に小柄な選手にとって大柄な相手を投げる際に有効な技です。

基本的な動作

背負投の基本形は、相手との組み手から始まります。まず、標準的な組み手の状態から前に崩し、フットワークを使って相手の内側へ踏み込むことが重要です。または、後ろ回りのさばきで相手を引き寄せ、自身の体を沈めて相手をおんぶするように抱え込みます。この時、釣り手の肘を相手の腋の下に入れ、肩越しに引き手で引っぱって投げ飛ばします。この投技は、そのシンプルな動作により、様々な状況に応じてアレンジが可能です。

技のバリエーション

背負投には多くの変化があり、応用技としては相手の膝を押し上げる動作を取り入れたものや、特別な引き手の使い方があります。たとえば、相手の襟を取り、特定の方法で引き上げることで斜め前方へ投げることが可能です。このような技法は、特にケンカ四つという体勢での使用が多くなっています。近年、国際[[柔道連盟]]のルールにより脚掴みが禁止されており、技の使用が制限されることもあります。

片襟背負

片襟背負は、左手で相手の袖や襟を持ちながら、右手で内襟を握って行う背負投の一種です。これは、記録映画『柔道の真髄 三船十段』でも紹介されており、背負投の例として広く知られています。

逆背負投

逆背負投は、釣り手側の襟を握りながら体を左に一回転させることで相手を投げる技です。この技は、特にケンカ四つの体勢で用いられ、他国の選手によっても頻繁に使われています。日本を含む多くの国で広く普及しており、2015年からは少年柔道において反則技として扱われるなど、規制もされている技の一つです。

背負巻込と巖石落

背負巻込は、背負い上げた後に体を捻りながら相手を巻き込んで投げる技であり、また巖石落は、特定の持ち方を用いて投げる背負投になっています。これらの技も背負投のバリエーションとして重要です。

有名選手と背負投の影響

背負投を得意とする選手には、歴史的に有名な柔道家たちが多く存在します。木村政彦や、東京オリンピックでの猪熊功、岡野功など、彼らの背負投は日本国内外で非常に注目されました。近年でも、谷亮子や野村忠宏など、多くの名選手がこの技を駆使しています。また、フィクションにおいても数多くの漫画で主人公の必殺技として描かれており、柔道を広める一因ともなっています。

投の形

この技は投の形においても重要な位置を占めており、当初は一本背負投と明確に区別されていなかったことが影響しているとされています。柔道の技術は常に進化しており、新たな技の名称や分類も制定されています。

背負投は、その多様性と技術性から、柔道において揺るぎない地位を築いています。技を習得することで、選手は新たな可能性を広げ、試合においても、大きな効果を得ることができるでしょう。

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