能代ロケット実験場

能代ロケット実験場：日本の宇宙開発を支える拠点

[秋田県]]能代市に位置する能代ロケット実験場は、宇宙航空研究開発機構]の施設であり、日本の宇宙開発において重要な役割を担っています。[1962年]]、東京大学生産技術研究所]付属施設として開設され、当初は[[観測ロケットやミューロケットの固体ロケットモーターの地上燃焼試験を主な目的としていました。

その後、液体酸素・液体水素ロケットエンジンの研究開発が開始され、M-Vロケット開発計画に伴い、大型固体モータ大気燃焼試験棟や上段モータ高空性能試験設備といった施設の拡充・更新が進められました。M-Vロケットのすべての地上燃焼試験はここで実施されました。

1988年にはエアターボラムジェット(ATR)エンジンの研究開発に着手し、1992年には地上・静止状態における燃焼試験に成功。1998年からは[再使用ロケット実験]も開始され、実験機の離着陸試験も行われています。

能代ロケット実験場は、大型大気燃焼試験棟、真空燃焼試験棟、竪型燃焼試験棟、極低温推進剤試験棟、エアターボ・ラムジェットエンジン試験設備など、多様な試験設備を備えています。日本海に面した南北に細長い敷地の特性を生かし、最大1kmの保安距離を確保できる体制を整えています。

2023年の爆発事故と今後の展望

2023年7月14日、イプシロンSロケット第2段モータ(E-21)の燃焼試験中に爆発事故が発生しました。真空燃焼試験棟内外に甚大な被害をもたらしましたが、幸い人的被害や第三者への物的被害はありませんでした。事故原因はモーターケースへの熱的過負荷による破壊と推定されており、推進薬燃焼異常や断熱不良の可能性も検討されています。

JAXAは真空燃焼試験棟の修復が困難と判断し、解体・更地化を決定しました。新たな真空燃焼試験棟の建設については、現時点では見通しが立っていません。

しかし、能代ロケット実験場は、この事故を教訓に、より安全で信頼性の高い宇宙開発を目指し、活動を継続します。2025年を見据え、液体水素の貯蔵庫などの施設を建設し、液体水素を用いた脱炭素燃料の実験拠点へと拡張する計画も進められています。これは、環境問題への配慮と、持続可能な宇宙開発への取り組みを示す重要な一歩となります。

公認キャラクター「えきすいちゃん」

能代ロケット実験場には、液体水素をモチーフにした公認キャラクター「えきすいちゃん」がいます。2023年8月18日に公開され、親しみやすいキャラクターとして、施設のPRに貢献しています。

能代ロケット実験場の未来

能代ロケット実験場は、日本の宇宙開発の歴史を刻んできた重要な施設です。過去の大規模な事故からの復興、そして脱炭素燃料の実験拠点への発展という新たな挑戦を通じて、日本の宇宙開発をさらに発展させていくことが期待されています。今後も、安全性を確保しつつ、宇宙探査技術の向上に貢献していくでしょう。

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