能登金剛

能登金剛（のとこんごう）

能登金剛は、石川県の能登地方に位置する景勝地で、福浦港から関野鼻までの長大な海岸線（約29km）を指します。この地域は、能登半島国定公園の一部であり、その美しい自然が多くの観光客を惹きつけています。

歴史的背景

松本清張の小説『ゼロの焦点』の舞台となったことで、能登金剛は日本全国に名を馳せました。1959年の作品から派生した映画やドラマがこの地を数多くのファンに紹介し、観光地としての地位を確立しました。また、石川県の「新ふるさと探勝50選」にも選ばれています。この地域には、ヤセの断崖や増穂浦、福浦などに遊歩道が整備されており、散策を楽しむことができます。さらに、能登金剛を巡る遊覧船も運航されており、3隻の船が交互に利用されていますが、2007年と2024年の能登半島地震によって一部の箇所が影響を受けました。

主な見どころ

能登金剛の一帯は、日本海の荒々しい波によって削られたユニークな地形が広がっています。「金剛」という名称は、対岸の朝鮮半島にある金剛山が由来で、壮麗な景観を称賛するものです。以下に、特に見逃せないスポットを紹介します。

巌門

巌門は、海岸の波によって浸食された自然の洞門で、歴史的な伝説も多く残されています。源義経が一行と隠れ住んでいたとされ、松本清張の作品のロケ地としても知られています。清張の歌碑が立つこの場所は、多くの観光客が訪れます。

機具岩

機具岩は別名「能登二見」と呼ばれ、夫婦岩として愛されています。特に夕陽に染まる姿が美しく、多くのカメラマンや観光客が訪れるスポットです。

関野鼻

関野鼻は、柔らかな石灰質砂岩でできた特徴的な岩場が印象的です。カブト岩や義経一太刀岩、弁慶二太刀岩など、奇岩が点在し、多様な景観を楽しむことができます。周囲への立ち入りは制限されているため、訪れる際は注意が必要です。

増穂浦

増穂浦は、遠浅の砂浜が広がる美しい海岸です。「貝寄せの風」が吹く11月から3月には多くの美しい貝殻が打ち上げられ、ここは日本三大美貝の地とされています。さらに、全長460.9mのベンチが設置されており、観光名所として人気です。

ヤセの断崖

ヤセの断崖は、垂直の断崖が続く絶壁で、最も高い部分では海面から50mもあります。この地域は、松本清張の『ゼロの焦点』の重要な舞台となっており、圧倒的な景色が訪れる人々を魅了します。

アクセス方法

アクセスには車と公共交通機関の利用があり、それぞれに便利なルートがあります。巌門や機具岩、関野鼻、増穂浦などへは、国道249号線を利用して容易に訪れることができます。公共交通を利用する場合は、金沢駅からの北鉄能登バスやJR七尾線から乗り継ぎが可能です。タクシーを利用すれば、各スポットまでも比較的スムーズにアクセスできます。

能登金剛は、その風光明媚な景色と歴史的な裏話が融合した魅力あふれる場所です。訪れることで、日本海の自然の偉大さと文化の深さを感じることができるでしょう。

もう一度検索