脇雅世

脇 雅世

脇 雅世（わき まさよ）は、日本で活動する著名な料理研究家です。長年にわたり、テレビや雑誌、書籍などを通じて、多くの人々に料理の楽しさや工夫を伝えています。彼女のレシピは、家庭で手軽に作れるものから、少し特別な日のための料理まで多岐にわたり、幅広い層から支持を得ています。

特に著書は数多く、1990年代後半から2010年代にかけて精力的に出版活動を行っています。初期には『お鍋でごちそう 煮込みとスープ』（1998年）や、お子さん向けのおやつレシピ集『おしゃれなおやつ』（1999年）、家庭で楽しむフレンチの入門書『30分でだいじょうぶ うちのファミリー・フレンチ』（1999年）など、様々なテーマに取り組んでいます。その後も、子供の栄養や食育に関する書籍、『好き嫌いをなくす子供の料理と栄養』（2000年）や『子どものシンプルおかずとおやつ』（2004年）を出版。また、手軽さや時短を意識した『脇さんちの「一汁一菜」元気ごはん』（2001年）や『毎日ムリなく手早くおべんとう』（2004年）、特定の調理器具に特化した『圧力鍋お役立ちレシピ』（2008年）や『IHクッキング マスターレシピ』（2006年）など、現代の家庭のニーズに合わせたレシピも数多く提案しています。

さらに、お菓子作りに関する著書も多く、『大好き!チョコレートのお菓子』（2002年）や『脇雅世さんちのからだにやさしいかんたんおやつ』（2006年）など、デザートの分野でもその手腕を発揮しています。和食や保存食についても造詣が深く、『じつは、和食好き』（2002年）や『梅干し・漬け物・保存食』（2004年）といった書籍も刊行しています。そのテーマの幅広さは、家庭料理全般における彼女の深い知識と経験を物語っています。

料理研究家としての活動の一環として、ユニークな経験も持っています。1981年から1991年までの間、自動車レースの世界耐久選手権、特に世界的に有名なル・マン24時間レースに参戦していたマツダスピードチームの食事を担当していました。これは、当時のチームのドライバー兼マネージャーであった寺田陽次郎氏からの依頼によるものです。レース期間中、ドライバーやチームスタッフなど、最大で120名近い人々の昼食と夕食を毎日準備するという、非常に大規模かつ責任の重い仕事でした。当初は1990年のレースを最後にこの役割から退く意向だったそうですが、翌1991年にどうしても優勝を勝ち取りたかった寺田氏が、脇氏のために専属のベビーシッターを手配するという条件で、特別にチームに呼び戻したというエピソードは、彼女の料理がチームにとってどれほど重要視されていたかを物語っています。この年のマツダ787Bは、日本車として初のル・マン総合優勝を果たすという快挙を成し遂げています。

パトリス・ジュリアン氏との共著『土曜日のごちそう』（2005年）などもあり、国内外の料理人や文化人との交流も通じて、その活動の幅を広げています。

脇雅世氏は、日々の食卓を豊かにするレシピ提案から、プロフェッショナルな現場での食事提供まで、多岐にわたる経験を通じて、日本の食文化に貢献し続けています。

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