マツダスピード

マツダスピード（Mazdaspeed）は、マツダ系列のモータースポーツ専⾨の部門であり、1968年に東京のマツダオート東京を母体として設立されました。設立当初は、モータースポーツに関する相談や車両改造を行い、徐々に本格的なレーシングチームへと成長していきました。

1968年にモータースポーツ相談室を開設した際、初代メンバーには大橋孝至と寺田陽次郎が名を連ね、ファミリアロータリークーペ用のスポーツキットの取り付けを行った「スポーツコーナー」として営業を開始しました。1970年代には、ツーリングカーレースにも参戦し、シグマ・オートモーティヴとの連携を通じてさらなる技術向上を図りました。当初はディーラーチームとしての体制であったため、大規模な資金力は持っていなかったものの、少しずつ力をつけていきました。🐱‍🏍

1979年に「マツダスピード」として正式にブランドが立ち上がり、ル・マン24時間レースに初めてエントリーしました。しかし、その初年は準備不足ながらも、1982年には総合14位を獲得し、チームの組織改編へとつなげました。1983年には株式会社として法的にも独立し、多数の技術者がメーカーから派遣されるようになりました。この時期には、ファミリア4WDを基にしたWRCへの参戦や、グループCによるJSPC、SWCを通じて、マツダのモータースポーツ部門としての地位を確立しました。

1991年、マツダ787Bがル・マン24時間レースで、日本の車両として初の総合優勝を果たし、マツダスピードの歴史的な瞬間を迎えました。この勝利により、マツダスピードは日本のモータースポーツ界において一際注目を集めるようになります。翌年には、レシプロエンジンのMX-R01を導入し、さらなる挑戦を続けましたが、別のメーカーに比べ苦戦する時期もありました。

1990年代には、マツダの経営不振に伴ってモータースポーツ活動が縮小し、市販車向けアフターパーツの販売やプライベーター支援に舵を切りました。次第にル・マン24時間レースへの連続参戦は終焉を迎え、1997年までに主たるレース活動を終了することとなります。その後もパーツ供給は続けられましたが、1999年にはマツダ本社に吸収され、マツダスピードとしての法人組織は解消されました。

以降、「マツダスピード」という名称は、限定仕様車やマツダ車専用のチューニングブランドとしてのみ使用されるようになり、ル・マン24時間レースでの栄光とは切り離されてしまいました。マツダスピードは公式のモータースポーツチームとして消滅したものの、その名は今なおマツダのチューニングパーツやイベント名に残り続けています。近年、マツダファン向けのサーキットトライアルも開催されているが、これは独立した業者によって行われており、マツダが主導するものではありません。

マツダスピードから参戦した有名なドライバーには、寺田陽次郎やジョニー・ハーバート、フォルカー・ヴァイドラー、ベルトラン・ガショー、さらにはジャッキー・イクスなどが名を連ね、彼らの果たした役割はマツダのモータースポーツの歴史において重要な位置を占めています。

このように、マツダスピードは単なるブランド名を超え、長い歴史を有し、数々の国際レースでの成功と挑戦を通じて、モータースポーツの発展に寄与したのです。

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