脳外科医モンロー

『脳外科医モンロー』は、2011年にシーズン1、2012年にシーズン2が放送されたイギリス発の医療ドラマです。全12話からなる本作は、仕事では冷徹で厳格な一面を見せる一方で、患者や家族には深い共感と温かい配慮を払う、腕利きの脳外科医ガブリエル・モンローの物語です。

モンローは、6年前に脳腫瘍で手術中に娘シャーロットを亡くした過去を抱えています。その悲しみから同僚のジャッキーと浮気をし、妻アンナとの関係は冷え切っていました。息子ニックが大学進学を機に家を出たことで、長年離婚の意思を秘めていたアンナからついに離婚を告げられます。22年間連れ添った妻が、長年抱いていた離婚の意思に全く気付かなかったモンローは、仕事に没頭し、家庭を顧みなかったことを深く後悔するのです。

モンローの仕事ぶりは、常に冷静沈着で的確です。しかし、彼の日常は、仕事だけでなく、家族や友人、同僚との人間関係、そして過去のトラウマに翻弄される複雑なものでした。物語は、1話完結で描かれる様々な症例を通して、モンローの揺れる心情や、周りの人間関係が丁寧に描かれています。

モンローを演じるのはジェームズ・ネスビット。日本語吹替は宮内敦士が務めています。モンローの同僚である心臓外科医ジェニー・ブレムナーは、クールで合理的、時に厳しい性格で、モンローとは対照的な存在です。演じるのはサラ・パリッシュ、日本語吹替は野沢由香里。

モンローの親友で麻酔科医のローレンス・シェパード（演：トム・ライリー、日本語吹替：川本克彦）は、ブレムナーに密かに想いを寄せていますが、いつも振り回されています。モンローの下で働く若手医師サリー・フォーチュン（演：マンジンダー・ヴァーク、日本語吹替：東條加那子）は、モンローの信頼が厚く、ポーカー仲間でもあります。優秀だが傲慢な研修医ダニエル・スプリンガー（演：ルーク・アレン＝ゲイル、日本語吹替：菅原雅芳）、控えめなキティ・ウィルソン（演：ミシェル・アサンテ、日本語吹替：薬丸夏子）、優秀なサラ・ホイットニー（演：クリスティーナ・チョン、日本語吹替：渋谷はるか）、少々頼りないアンドリュー・マラリー（演：アンドリュー・ガワー、日本語吹替：荻沢俊彦）など、個性豊かな研修医たちも物語を彩ります。

病院の雑務係リー・ブラッドリー（演：トーマス・モリソン、日本語吹替：鈴木佑治）は、モンローやシェパードとポーカー仲間であり、病院内のノミ屋も営んでいます。彼の雑務室は、モンローたちのたまり場となっており、彼らの話し相手にもなっています。モンローの妻アンナ（演：スーザン・リンチ）は、6年前のモンローの浮気をきっかけに愛情を失い、長年離婚を秘めていました。息子ニック（演：ペリー・ミルウォード）は、医者になることを期待する父に反発しながらも、最終的には和解を迎えます。

『脳外科医モンロー』は、医療ドラマとしての見応えだけでなく、登場人物たちの複雑な人間模様や、過去と現在、仕事と家庭の葛藤といったテーマを深く掘り下げた人間ドラマでもあります。それぞれのキャラクターの背景や、彼らの成長、そして人間関係の変化を通して、視聴者自身の生き方について考えさせられる作品となっています。シーズン1、シーズン2と続き、イギリスでの放送終了後、日本でもWOWOWにて日本語吹替版が放送されました。

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