腱鞘炎

腱鞘炎について

腱鞘炎（けんしょうえん）は、腱を保護し支持する腱鞘が炎症を起こす病気です。この状態は、主に手や指、手首の痛みや腫れを引き起こし、動作が困難になることがあります。特に、腱そのものの炎症である腱炎（tendinitis）も併発することがよくあります。症状が進行すると、痺れや関節の変形を伴うこともあり、冷却療法を行ってもあまり症状が軽減しないことがあります。

原因

この病気の特定の原因は明確ではありませんが、特に繰り返し同じ動作を行うことが主な要因とされています。指や手首を使い続ける職業の方々で多く見られる傾向があります。プロのピアニストや打楽器奏者、さらにはデスクワークをする弁理士や漫画家、作家など、長時間プログラムを打つことや筆記を行う職業の方々は特に注意が必要です。また、関節炎や外傷も腱鞘炎を引き起こす原因となります。

診断

腱鞘炎を正確に診断するためには、整形外科でのレントゲン検査やMRIなどが重要な役割を果たします。これらの検査によって、腱や周辺の腫れ、痛みの程度などを包括的に評価します。さらに、患者の生活歴、腱周囲の圧痛をもとに、診断を補完します。まれに末梢神経障害との区別に悩まされることがありますが、専門医の適切な診断が欠かせません。

治療

腱鞘炎の治療には、まず患部を安静に保ちながら、抗炎症薬を用います。イブプロフェンのような薬剤が一般的に使用され、症状改善が期待されます。もしこれらの方法で十分な改善が見られない場合には、ステロイド注射や、腱鞘の広がりを考慮した手術など、より侵襲性の高い治療が求められることもあります。適切な治療を行うことで、早期改善が期待できるため、症状が現れた際には早めの受診をお勧めします。

関連項目

腱鞘炎に関連するトピックには、職業病、ド・ケルバン病、ばね指などがあります。これらの情報は、腱鞘炎の理解を深める上でも有益です。

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