腹膜偽粘液腫

腹膜偽粘液腫（ふくまくぎねんえきしゅ）とは

腹膜偽粘液腫は、腹腔内にゼラチン状の粘液を産生する悪性腫瘍の一種で、通常、虫垂や卵巣から発生します。この病気は、腫瘍が腹腔内で増殖し、大量の粘液を生成することで知られています。この粘液は他の臓器に癒着したり圧迫したりし、場合によっては重大な健康問題を引き起こします。

検査方法

腹膜偽粘液腫の診断には、主に二つの画像検査が用いられます。

超音波検査

この検査では、腫瘍内部が低エコーの特徴を示し、時には波状の彎入像が見られることがあります。この波状彎入像は、ホタテ貝の形状に似ていることから、「scalloping」と呼ばれています。

CT検査

CTスキャンは、より詳細な情報を提供し、腫瘍の大きさや位置、周囲の臓器との関連を明確にします。この検査により、病状の進行度を評価し、適切な治療法を決定する手助けとなります。

症状

腹膜偽粘液腫の症状は、病状の進行に応じて異なります。軽度の段階では、腹痛や吐き気などがみられることがありますが、進行した場合には、腹部が妊婦のように膨らみ、粘液の塊によって内臓が圧迫されることがあります。最終的には、適切な処置が行われない場合、生命に関わる事態に陥ることもあります。

治療法

腹膜偽粘液腫の治療には様々なアプローチがありますが、完全に粘液を除去することは非常に難しいです。手術を行っても、どうしても少量の粘液が残ってしまいます。ただし、一部の症例においては抗癌剤による化学療法が効果を示すこともありますが、それでも根治が難しいケースが多いのです。

最も効果的とされる治療法は、腹膜切除による腫瘍の完全な切除と、術中温熱化学療法を組み合わせた方法です。しかし、この治療法は健康保険の適用外であり、実施できる施設も限られています。

まとめ

腹膜偽粘液腫は、腫瘍による粘液の生成が引き起こす深刻な病状であり、専門的な医療が必要です。初期症状に気付いた場合には、早期の診断と治療が重要で、常に医療機関でのフォローアップが求められます。患者およびその家族には、最新の情報と支援を得るために、関連の患者支援団体や医療情報を利用することが推奨されます。

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