膀胱結石

膀胱結石：症状、原因、診断、そして治療

膀胱結石とは、膀胱内部に硬い結晶が形成される病気、あるいはその結晶そのものを指します。まるで小さな石のような結晶が膀胱内にできることで、様々な症状を引き起こす可能性があります。

膀胱結石の原因

膀胱結石の発生メカニズムは、完全には解明されていません。しかし、尿の成分や膀胱内の環境が大きく関わっていると考えられています。

ヒトの場合、結石の主成分はシュウ酸カルシウム水和物（CaC₂O₄・H₂O または CaC₂O₄・2H₂O）であることが多く見られます。一方、イヌやネコなどの動物では、ストルバイト（NH₄MgPO₄・6H₂O）などのリン酸アンモニウムマグネシウム結石がしばしば観察されます。他にも、尿酸アンモニウム結石など、様々な種類の結石が存在するため、正確な特定には検査が必要です。

膀胱結石の症状

膀胱結石の症状は、結石の大きさや数、位置、そして個体の感受性などによって大きく異なります。

多くの場合、排尿時の痛み（排尿痛）や頻尿、尿意切迫感などが現れます。結石が大きくなると、尿路閉塞による尿閉や激しい痛みを引き起こす可能性があります。また、血尿を伴うこともあります。これらの症状は、他の泌尿器系の疾患と類似しているため、注意が必要です。

膀胱結石の診断

膀胱結石の診断には、いくつかの検査方法が用いられます。

多くの結石はX線撮影で検出できますが、成分によってはX線に写らないものもあります。そのため、尿検査による成分分析や、超音波検査による画像診断、膀胱鏡検査による直接的な観察などが不可欠です。これらの検査を組み合わせることで、結石の種類、大きさ、数、位置などを正確に把握し、適切な治療計画を立てることができます。

膀胱結石の治療

膀胱結石の治療法は、結石の種類、大きさ、数、そして患者の状態などによって異なります。主な治療法としては、以下のものが挙げられます。

体外衝撃波結石破砕術（ESWL）：体外から衝撃波を照射して結石を細かく砕き、尿と一緒に排出させる方法です。比較的侵襲が少なく、入院期間も短いのが利点です。しかし、全ての結石に有効とは限らず、結石の硬さや大きさによっては効果が低い場合があります。

開腹手術：ESWLで砕けなかったり、大きな結石の場合、開腹手術が必要となることがあります。腹部に切開を加えて結石を取り除く方法で、侵襲は大きくなりますが、確実な治療法です。

* 経尿道的膀胱結石摘出術：尿道から内視鏡を挿入し、結石を直接摘出する方法です。開腹手術に比べて侵襲が少なく、回復も早いという利点があります。

治療後も定期的な検査で、再発の有無を確認することが重要です。適切な治療とアフターケアによって、生活の質を向上させることができます。

まとめ

膀胱結石は、痛みや排尿障害といった様々な症状を引き起こす可能性のある疾患です。早期発見と適切な治療が重要であり、症状を感じた場合は、速やかに医療機関を受診することが大切です。 動物においても同様の症状が見られるため、愛犬や愛猫などのペットの異変にも注意が必要です。

もう一度検索