膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼（しつがいこつだっきゅう）の概要

膝蓋骨脱臼は膝関節において重要な構造である膝蓋骨が通常あるべき位置から外れてしまう状態です。この怪我は通常、膝がわずかに曲がった状態で起こり、痛みや腫れを伴います。また、見た目や触れた際に膝蓋骨がずれていることが確認できることが多いです。膝蓋骨脱臼はしばしば、膝の他の損傷も引き起こし、合併症として膝蓋骨の骨折や関節炎を伴うことがあります。

膝蓋骨脱臼の原因

この脱臼は主に、膝がまっすぐな状態から、下腿がねじれる形で膝が外側に曲がることによって発生します。また、膝が曲がった状態で膝蓋骨に強い衝撃が加わることによっても起こることがあります。特にこの怪我は、サッカー、体操、アイスホッケーなどのスポーツに関連していることが多く、これらの運動に従事している人々に発生しやすいです。脱臼は通常、正中線からずれて起こることがほとんどです。

診断と整復

膝蓋骨脱臼の診断は、主に現れる症状を基に行われ、必要に応じてX線検査によって確認されます。治療方法として一般的なのは整復であり、膝を真っ直ぐにして膝蓋骨を正しい位置に押し戻すという手技です。整復後、通常は副木を使用して数週間膝を伸ばした状態で固定します。この固定期間の後、リハビリテーションとして理学療法が実施され、膝の機能の回復を目指します。

手術の必要性

膝蓋骨脱臼の初回の例では、手術が必ずしも有用であるとは限りません。しかし、膝関節内で骨の一部が骨折している場合や、何度も膝蓋骨脱臼を繰り返す方には外科的介入が必要なことがあります。手術の選択は、個々の状態や症状の重さによって決まります。

発生率と年齢層

膝蓋骨脱臼は、年間10万人中約6人の割合で発生します。これらの脱臼は膝の怪我の約2％を占め、多くは10歳から17歳の若年層に集中しています。この怪我の発生率は男女間で大きな差はありません。また、初回の脱臼を経験した人の約30％が再度脱臼する可能性があるため、注意が必要です。膝蓋骨脱臼の予防としては、運動時の適切なウォーミングアップや筋力トレーニングが推奨されます。

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