関節炎

関節炎の概要

関節炎は関節の炎症を引き起こす病気の総称であり、局所的な症状と全身的な症状が存在します。局所症状には発赤や腫脹、圧痛、こわばり、可動域制限などがあり、全身症状には発熱、全身倦怠感、体重減少などが含まれます。関節炎は急性と慢性、単関節炎と多関節炎に分けられ、いくつかの代表的な疾患が存在します。

代表的な疾患

• - 急性単関節炎: 感染症や物理的要因に起因することが多いです。特に細菌性のものは注意が必要です。
• - 細菌性関節炎: 特に若年者には淋菌性関節炎が多く、高齢者や免疫不全状態の患者では非淋菌性が起こりやすいです。
• - 結晶誘発性関節炎: 痛風や偽痛風が代表例で、特に高齢者に多く見られるのが特徴です。
• - 外傷性関節炎: 過度な運動によって引き起こされるものですが、全身症状は見られません。
• - 急性多関節炎: ウイルス感染によるものが一般的で、特にパルボウイルスや肝炎ウイルスによるものが知られています。

疾患の診察と鑑別法

関節炎の診察は、診察場所や患者の年齢、性別により有病率が異なることを意識しながら進めます。また、関節痛かどうか、関節周囲の痛みかを確認することが重要です。痛みの位置や数、急性と慢性の経過を分析することで、正しい疾患の特定へとつながります。

疼痛の分布と経過

関節痛の種類（単関節か多関節か）や痛みの持続時間によって、想定すべき疾患は大きく異なります。単関節であれば、痛風や外傷性である可能性が高く、多関節に広がればリウマチや膠原病の疑いが増します。特に注意が必要なのは急性の経過をたどる疾患です。

検査と治療

診断には関節液の検査が重要です。化膿性関節炎や結晶誘発性の評価には関節穿刺が用いられます。治療は、尿酸降下薬やNSAIDs、ステロイドなどが中心となり、状況により使い分けが必要です。特に急性の痛風発作にはコルヒチンが効果を発揮します。また、偽痛風の治療も急性のものと似ていますが、関節液の除去が効果的です。

結晶誘発性の関節炎

• - 痛風: 短期間で急激な痛みがみられる関節炎で、通常下肢に発現します。高尿酸血症と関連し、飲酒や脱水が引き金になることもあります。
• - 偽痛風: CPPD結晶が関与する疾患で、高齢者に多いです。痛みや腫脹が関節に現れます。

その他の関連疾患

関節リウマチや反応性関節炎等も関節炎による痛みの一因として存在し、治療には個々の疾患に応じたアプローチが必要となります。また、感染性心内膜炎やリウマチ熱なども鑑別にあたるため、しっかりとした問診と身体所見の把握が重要です。

まとめ

関節炎には多くのタイプがあり、それぞれの原因や治療法が異なります。適切な診断を行うためには、症状や病歴をしっかりと確認し、必要な検査を実施することが重要です。また、治療は急性、慢性、結晶誘発性など、疾患によって異なるため、医師との相談が不可欠です。

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