臨川寺 (岐阜県白川町)

臨川寺（りんせんじ）は、岐阜県加茂郡白川町坂ノ東に位置する曹洞宗の寺院です。山号を萬嶽山（ばんがくさん）と称します。

歴史

臨川寺は、万治2年（1659年）に洞雲寺の二世である善中春良（ぜんちゅうしゅんりょう）によって開山されました。その後、寛文3年（1663年）には、檀徒の飯盛善助（いいもりぜんすけ）が本尊である十一面観世音菩薩を寄進しました。

明治時代に入り、明治11年（1878年）には、十三世住職の寛龍（かんりゅう）の代に、それまでの平僧地から法地へと昇格し、現在に至っています。さらに、昭和41年（1965年）3月には、本尊の十一面観世音菩薩が白川町の有形文化財に指定され、地域における重要な文化遺産として保護されています。

薬師堂

臨川寺の境内には、薬師堂も存在します。この薬師堂は、文化13年（1816年）11月に、かつては字・下岡田に建立されました。建物の規模は三間一尺四方で、在地十六歩の広さでした。その後、明治10年（1877年）10月に臨川寺の境内に移築されました。

移築された薬師堂は、残念ながら老朽化が著しく、創建当時の面影を偲ぶことは難しい状態です。しかし、この薬師堂には、由緒が不明な木造の仏像や神将像が19体も保管されており、その歴史的価値が伺えます。

まとめ

臨川寺は、開山から数々の歴史を経て、現在も地域の人々に大切にされている寺院です。本尊の十一面観世音菩薩や薬師堂に安置された仏像群は、歴史と文化の深さを物語っています。

参考文献

* 『白川町誌』　第五章　宗教　第三編　生活と文化　五　元坂ノ東村　▽萬嶽山臨川寺　p889～p893　白川町誌編纂委員会　1968年

もう一度検索