臨時目的放送

臨時目的放送とは

臨時目的放送は、放送法で定められた基幹放送の一種で、特定の臨時的な目的のために行われる放送です。これは、通常の放送とは異なり、特定のイベントや災害時など、一時的な必要性に応じて実施される点が特徴です。具体的には、放送法施行規則第7条第2項に「臨時かつ一時の目的のための放送」と定義されており、同規則の別表第5号第9にも区分が明記されています。

放送の種類

臨時目的放送は、主に以下の二つの種類に分類されます。

1. イベント放送：国や地方公共団体が主催、後援、または協賛する博覧会などのイベントで利用されます。この放送は、イベントの情報を参加者に伝え、イベントを盛り上げる役割を果たします。
2. 臨時災害放送：暴風、豪雨、地震などの災害発生時に、被害を軽減するために情報を伝達します。災害時の正確な情報提供は、住民の安全確保に不可欠です。

これらの放送は、それぞれイベント放送局と臨時災害放送局によって実施されます。

放送法の適用除外

臨時目的放送は、放送法第8条により、番組基準の作成・公表や、放送番組審議会の設置といった、通常の放送に適用される規制の一部が除外されています。これは、迅速な情報伝達を可能にし、緊急時やイベント時の柔軟な対応を促すためです。

沿革

臨時目的放送の制度は、以下のような経緯を経て整備されてきました。

1988年10月: イベント放送制度が初めて導入されました。これにより、博覧会などのイベントにおける情報提供が円滑に行われるようになりました。
1995年1月: 阪神・淡路大震災が発生しました。この災害を契機に、災害時の情報伝達の重要性が認識され、同年2月に臨時災害放送制度が制度化されました。これにより、災害時における迅速かつ正確な情報提供が可能になりました。
2024年3月: 能登半島地震への対応として、日本放送協会の臨時目的放送業務が認定されました。これは、大規模災害時における公共放送の役割の重要性を示すものです。

関連事項

臨時目的放送に関連する主な事項は以下の通りです。

イベント放送局：イベント開催時に設置される放送局。
* 臨時災害放送局：災害時に臨時に設置される放送局。

これらの放送局は、特定の目的のために設置され、その役割を終えると閉鎖されます。臨時目的放送は、通常の放送とは異なる特別な役割を持ち、社会にとって重要な情報伝達手段となっています。

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