臨時航空隊

臨時航空隊について

臨時航空隊（りんじこうくうたい）は、日本陸軍が青島の戦いのために設立した航空部隊です。この部隊は、航空技術の発展を経て、戦闘において重要な役割を果たしました。

概要

航空隊の起源は、明治時代の気球の実験にさかのぼります。1877年には陸軍や海軍、技術団体らによって気球の試作が始まり、1891年にはフランスから「ヤウン」型の気球を購入し運用が始まりました。1904年の日露戦争では、陸軍内に臨時気球隊が編成され、旅順攻囲戦で偵察任務を実施しました。

1907年には鉄道連隊、電信大隊、気球隊を統括する交通兵旅団が設立され、近衛師団の指揮下に置かれました。続いて、1910年に所沢に飛行場用地が決定し、翌年には日本初の所沢飛行場が開設されました。この飛行場では、様々な初飛行が行われ、航空技術が確立されていきました。

編成

1904年から1914年の間に、臨時航空隊は段階的に編成されました。1914年8月23日には、有川鷹一工兵中佐が隊長に就任し、飛行・気球の各中隊が編成されました。この時、部隊は16機の気球を保持し、その中から作戦可能な機体には「旭日」の国旗が掲げられました。

隊員には、操縦将校として徳川好敏大尉や長澤賢二郎工兵中尉などが、偵察部隊には弘中工兵少佐ほかが含まれていました。最終的に青島攻撃部隊には、飛行中隊の将校9名と57名の下士卒が配属されました。

青島攻撃の実施

臨時航空隊は、所沢から広島へ鉄道で移動し、宇品港から山東省の青島へ向かいました。派遣された航空隊は、特に小規模ではありましたが、初めての偵察飛行や空中戦、爆撃行動に挑戦しました。戦闘任務中、飛行中隊は86回の出動を行い、89時間の飛行時間を記録、爆撃を15回実施し、44発の爆弾を投下したとされています。

凱旋

1914年12月1日、一部の臨時航空隊員は無事に所沢駅に帰還しました。駅では多くの人々が祝福し、凱旋門まで設置される盛大な歓迎が行われました。さらに、紹介された戦利品などは所沢航空参考館に展示され、後世への伝承がなされました。

装備

部隊の主な装備には、モ式二型機が含まれ、特に1913年型の機体が用意されていました。また、ニューポールNG機という単発の複座偵察機も使用され、745mの全長を持ち、最高速度は110km/hに達しました。これは、フランスから輸入された機体で、後に地上滑走練習機の原型ともなったと言われています。

まとめ

臨時航空隊は、短期間で編成され、青島での戦闘に参加した日本陸軍の航空部隊として、偵察や爆撃など多岐にわたる任務を遂行しました。このような歴史的な背景を持つ部隊は、航空機運用における初期段階の重要な象徴となっています。

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