気球

気球の概要

気球（ききゅう）は、空気よりも軽い気体を袋状の構造に含ませることで浮力を得て空中に浮かぶ道具です。気球には、空気を加熱して浮力を得る熱気球、軽いガス（ヘリウムや水素）を使用するガス気球、両者を組み合わせたロジェ気球があります。これらは空中を移動する能力があり、また地上に固定された状態での飛行も可能です。

歴史

気球の起源は意外に古く、中国で用いられてきた天灯や1690年代にポルトガルでの実験など、さまざまな形で存在しました。特に1783年にはフランスのモンゴルフィエ兄弟が有人飛行を成功させ、この技術が広まりました。その後、19世紀にかけてヨーロッパで気球ブームが起こり、主に冒険や遊覧飛行に使用されました。

その後、動力付きの飛行船と航空機の出現により、一時的に人気が落ち込みましたが、戦後はスカイスポーツとしての熱気球が再ブームを迎えました。現代では、気象観測や広告、さらには研究活動にも利用されています。

年表

• - 1709年: ポルトガルのバルトロメウ・デ・グスマンが熱気球の実験成功。
• - 1783年: モンゴルフィエ兄弟が最初の有人熱気球飛行に成功。
• - 1903年: ライト兄弟が第一回の動力飛行を果たす。
• - 1961年: アメリカのパイロット達が高高度到達記録を更新。
• - 2012年: フェリックス・バウムガルトナーが記録的な高度に挑戦。

種類と用途

有人気球

有人気球は、乗員が搭乗するためのもので、飛行中はバスケットやゴンドラに乗る形で運行されます。この気球は上下に移動することができ、周囲の風を読み取ることである程度の方向を選ぶことが可能です。主にレジャーや競技飛行に使用され、パラシュート訓練にも利用されます。

無人気球

無人気球は主に気象観測や宇宙探査に使用され、高層大気の測定や観測に特化しています。無人での飛行により、経済的に高高度に到達することができます。

規制と安全

気球には国によって異なる法令が適用されます。日本では空中障害物として扱われ、気球を操作するための特別な資格は不要ですが、特定の空域での飛行が必要に応じて制限されることがあります。

軍事利用

かつて気球は、偵察や観測のために軍事利用されており、具体的には戦争中の情報収集において重要な役割を果たしました。例えば、第一次世界大戦では、気球が航空機の敵方に対する識別目標となり、多くの「バルーンバスター」が登場しました。

現代の利用

現在でも気球は多様な分野で活用されています。気象観測用のラジオゾンデや、広告用のアドバルーンとしての利用が広がっています。また、研究目的で新たな技術が開発され続けています。例えば、ゼロ・プレッシャー気球やスーパー・プレッシャー気球など、様々な用途に応じた設計が行われています。これにより、気球技術は未来の宇宙探査や科学研究においても期待されています。

このように、気球は長い歴史を持つと同時に、現代においてもその用途は多岐にわたります。

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