自分撮り

自分撮り（じぶんどり）

自分撮りとは、通常「自撮り」や「セルフィー」とも呼ばれる撮影スタイルで、自分自身や仲間を撮影対象とすることを指します。英語の「selfie」は2002年に自画像の一形態として使用され始め、2013年にはオックスフォード英語辞典で「今年の言葉」に選出され、広く認知されるようになりました。自分撮りは近年のスマートフォンの普及に伴い、より手軽に行えるようになり、多くの人々の間で人気を集めています。

撮影方法

現代のスマートフォンにはインカメラが搭載されているため、画面を見ながら撮影することが可能です。また、自撮り棒やスタンド、拡張レンズを利用することもでき、これにより様々な角度や構図で撮ることができます。カメラ付きの携帯電話の場合は、テレビ電話用のカメラを使って簡単に自撮りができますが、一般的なデジタルカメラの場合、ファインダーがないため自撮りが難しいこともあります。この場合、小さな鏡をレンズ側に設置することで、自撮りが容易になる場合があります。

自分撮りの危険性

自分撮りは意外にも危険を孕んでいます。周りへの注意が不十分になることで、周囲の人や物と衝突したり、転倒するリスクが高まります。最悪のケースでは死亡に至る場合もあります。2018年に発表された調査によれば、2011年から2017年の間に、自撮りに関連する事故で少なくとも259人が亡くなったとのことです。これらの事故の多くはインドで発生しており、他にはロシアやアメリカでも起きています。その原因は、水死や交通事故、転落などで、多くのケースでは撮影中の不注意が関与しています。

具体的な例としては、2014年にスペインで電車の屋根で自撮りをしていた男性が高電圧線に触れて亡くなった事故があります。また、2014年にはポルトガルの崖で自撮りをしようとして転落し、命を落とした事件もありました。2019年には、日本の江戸川区で自撮りを通じてファンに特定された女性が自宅に侵入され、傷害事件が発生するなど、自分撮りは安全面だけでなく、プライバシーの侵害を引き起こすこともあります。

死亡事故をめぐる裁判

自撮り中の死亡事故に対する社会的関心も高まっています。2017年には、中国の一男性が高層ビルから自撮り中に転落した事件があり、母親が動画配信会社に対して訴訟を起こしました。この訴訟では、配信会社の責任が問われ、最終的に3万元の賠償金が命じられる事例も発生しました。

性的自分撮りとセクスティング

自分撮りの一形態として、性的な内容を含む自撮りを指す「セクスティング」があります。これは、性的な画像を送り合う行為として知られ、そのリスクも非常に高いです。特に、未成年者が関与する場合、法的な問題やプライバシーの侵害が懸念されています。

投票所での自撮り

投票所での自撮りも議論の対象となっており、2014年のオランダの地方選挙では有権者が自撮りを通じて投票を促す一方で、秘密投票の原則が問われました。国によって対応が異なり、一部の国では禁止されるなどの動きが見られます。

自分撮りは楽しむ一方で、その背後には注意すべきリスクが潜んでいることを忘れずに生活することが大切です。

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