自発光式メーター

自発光式メーターの概要

自発光式メーター（じはっこうしきメーター）は、自動車の計器として特に夜間運転の視認性を高めるために設計されています。このメーターは、車のキーをオンにすると常にメーターパネルの文字や針が明るく光る仕組みです。昼夜を問わず、まるで常に発光しているかのような印象を与えることから、常時発光（点灯）式とも呼ばれています。

メーターの仕組みと進化

自発光式メーターの設計は、最初はパネル全体がブラックアウトされている状態からスタートしました。この技術では、メーター盤面の文字や針が光を放つことで視認性を向上させていました。しかし2000年代後半に入ると、旧来型のシルエットのメーターとは異なる、液晶ディスプレイに基づく新しい形式が登場しました。これにより、高級車だけでなく軽自動車や商用車でも自発光式メーターが広く普及するようになりました。

現代のブラックアウト型メーターでは、メーターカバーをスモークグラスにすることにより透過率を低下させ、バックライトの輝度を高めることで、スタート時にパネル表示が見える仕組みが採用されています。通常、点灯状態であれば発光を続けますが、車幅灯などの点灯と連動して、その明るさはわずかに調整されます。この機能により、薄暗い環境でも視認性が確保されています。

自発光式メーターの普及

自発光式メーターは、1989年10月にトヨタのセルシオ（海外名：レクサス・LS）で初めて採用されました。その後、1990年代を通じてこの新しい計器が高級車や上級乗用車で広まるようになり、2010年代には大型トラックなどでも見ることができるようになりました。ただし、昼間であれば通常の照明でも十分な視認性を持つため、必ずしも必要な機能とは言えない場合もあります。また、海外メーカーでは日本車に比べ、この技術の採用例は少なく、液晶パネルを使用したメーターへの移行が進められています。

自発光式メーターの名称と各メーカーの呼称

自発光式メーターは、メーカーにより異なる名称で呼ばれています。例えば、トヨタでは「オプティトロンメーター」、日産は「ファインビジョンメーター」、マツダは「ブラックアウトメーター」、スバルでは「ブラックフェイスメーター」や「ルミネセントメーター」という名前が用いられています。三菱では「ハイコントラストメーター」と呼びますが、ホンダ、スズキ、ダイハツについては独自の名称を使用していないため、正式名称の「自発光（或いは自発光式）メーター」として知られています。

この種のメーターは、未来的なデザインに加え、視認性の向上に貢献するため、多くの自動車愛好者から注目されています。自発光式メーターは自動車の運転をより安全かつ快適にするための重要な技術と言えるでしょう。

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