自衛隊体育学校

自衛隊 体育学校について

自衛隊体育学校（じえいたいたいいくがっこう、JSDF Physical Training School）は、陸上自衛隊の朝霞駐屯地に設けられた、特異な教育機関です。陸上・海上・航空の自衛隊が協力して運営しており、主に自衛隊員の体育に関する指導・技術教育を行っています。また、体育に関する調査研究もその重要な活動の一部です。

概要とその設立経緯

自衛隊体育学校は1961年（昭和36年）に設立されました。この設立は、1964年の東京オリンピックを見据えたもので、当時の防衛庁長官江崎真澄氏の発案によるものです。戦前の陸軍戸山学校を模範として、以下の三つの目標が掲げられました。1) 部隊における体育の指導者を育成すること、2) 国際級の選手を育成すること、3) 体育に関する調査研究を進めることです。この学校では、オリンピック金メダリストを輩出するなど、著しい成果を上げてきました。

学校内には、専用のグラウンド、体育館、屋内プール、射撃場などの優れた設備が整っています。さらに、自衛隊の中で唯一馬を飼育しているため、馬術が必須である近代五種競技の訓練も行っています。

教育課程と組織

自衛隊体育学校の教育課程は多岐にわたり、主な組織は以下のように構成されています。

- 企画室
- 総務課
- 第1教育課: 自衛隊員の体育指導者を育成
- 幹部（曹）体育課程: 体育指導官に必要な知識・技能を修得
- 幹部（曹）格闘課程: 自衛隊格闘術指導官に必要な知識・技能を修得
- 第2教育課（特別体育課程）: オリンピック選手候補を育成。

第2教育課は、オリンピックや国際大会に出場するための自衛官を育成する特別な課程です。通称「特体」と呼ばれるこの課程に入った者は、一般の自衛官としての任務から解放され、競技に専念することができる環境が整っています。しかし、自己管理が厳しく要求され、特別な食堂が設けられるなどの対応がされています。2022年4月の時点で、特体生は155名在籍しており、成績が振るわない場合には退校を命じられることもあります。

特別体育教育を受けるための選考基準も厳格で、優れた競技成績を収めた者が主にスカウトされます。入校時の階級は学歴によって異なり、大学卒業者には特定の階級が付与される仕組みです。

自衛隊 体育学校の施設

多様な競技に対応するために、さまざまな施設が整備されています。主な設備には:

- 総合体育館
- 球技体育館
- 陸上競技場（全天候型、陸連公認）
- 屋内水泳訓練場（水連公認 50メートル）
- ラグビー・サッカー場
- アーチェリー訓練場
- 屋内射撃場
- 馬術訓練場

これらの設備を活用して、各種競技の指導が行われています。具体的には、第2教育課ではレスリング、ボクシング、柔道、アーチェリー、射撃、ウェイトリフティング、陸上競技、水泳、近代五種、カヌー、女子ラグビーなどが対象競技として扱われています。冬季特別体育教育室においても、バイアスロンやクロスカントリースキーなどの冬季競技が訓練されています。

まとめ

自衛隊体育学校は、国内外で活躍する自衛隊員の体育指導者やトップアスリートを育成するために、先進的な教育体系を構築し、高度な専門知識と技術を教授しています。今後も新たな人材の育成と、体育分野における研究の発展が期待されます。

もう一度検索