自衛隊奨学生

自衛隊奨学生とは

自衛隊奨学生とは、将来の自衛官としての勤務を前提に、学資金が貸与される制度です。2024年5月までは「自衛隊貸費学生」と呼ばれていました。この制度は、大学、高等専門学校、専門学校などの学生で、医学、歯学、理学、工学、文学（語学）、法学などの分野を専攻する学生を対象としています。これらの学生は、学士相当以上の学位を取得後、自衛隊でその専門知識を活かして勤務することが期待されています。

制度の概要

この制度は、自衛隊法第98条などに規定されており、卒業後の幹部候補生採用を保証した上で、学資金を貸与するものです。奨学生は、卒業年度に陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の一般幹部候補生試験を受験しますが、学位等を取得していれば筆記試験は免除され、身体検査と口述試験のみで選考されます。この制度は、優秀な人材を確保し、自衛隊の専門性を高めることを目的としています。

2024年5月までは、医歯薬理工系の大学生・大学院生が対象で、特に医学・歯学は衛生貸費学生として、陸上・海上自衛隊の医科・歯科幹部候補生として採用されていました。理工系は技術貸費学生として、陸上・航空自衛隊の一般幹部候補生として採用され、船舶工学と海洋工学のみは海上自衛隊の技術幹部候補生として扱われていました。

学資金と返還

学資金の貸与開始時期や期間は個人によって異なりますが、受給期間の1.5倍以上の期間、自衛隊に勤務することで返還が免除されます。この勤務には、幹部候補生学校や職種学校、術科学校での期間も含まれます。採用には、筆記試験、口述試験、身体検査に合格する必要があり、保証人も必要となります。学資金の貸与額は、2024年4月1日現在で毎月54,000円です。例えば、平成27年度には16名の貸費学生がいました。

類似の制度

海外には、アメリカや韓国のROTC（予備役将校訓練課程）のような、大学生向けの類似制度が存在します。また、旧日本海軍には「海軍軍医（造船／造兵／造機）学生」という制度があり、これが自衛隊奨学生に相当します。

参考資料

• - 『自衛官への道』成山堂書店刊

関連項目

• - [自衛官]]
• - 幹部候補生
• - [[予備役将校訓練課程]

外部リンク

• - 自衛官募集ホームページ：各種募集種目：自衛隊奨学生

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