自転車競技場

自転車競技場とは

自転車競技場、英語でいうところの「Velodrome」とは、自転車競技のトラックレースを行なうために設計された専用の施設です。この名称の由来は、「Velo」がフランス語で自転車を意味し、ラテン語で競技場を示す「drome」とが組み合わさったものです。自転車競技場は、選手が競技を行う大切な舞台であり、競技の進行や成績に直接的な影響を与える要因が数多くあります。

トラックの構造

自転車競技場の特徴的な要素の一つが、その周回トラックです。このトラックは「バンク」とも呼ばれ、選手たちはその傾斜を利用して素早く周回します。室内のトラックは通常、木材で構成されることが多い一方、屋外の場合はコンクリートや柔らかいアスファルトで舗装されています。

トラックのカーブ部分は、安全な最大速度で走行できるように特別に設計されています。これには走路に角度（カント）がつけられ、遠心力の作用を考慮しています。設計上、正面側の角度は比較的緩やかで、直線部分が設けられる一方、コーナーでは最大の傾斜がつくように設計されています。例えば、選手が時速75kmで走行する際、車体が25度以上傾かないように工夫されています。また国際規格では、時速85km以上の安全な走行速度を前提とした設計が求められています。

緩和曲線の有用性

トラックのカーブにおいては、安全かつ速やかな走行が求められるため、緩和曲線が重要な役割を果たしています。現在、自転車競技場で使用されている緩和曲線は主に3つ存在します：マッコーネル、クロソイド、レムニスケートです。特に日本では、以前はクロソイド緩和曲線が多く用いられていましたが、その設計上の特性から選手がハンドリングに苦慮することがあるため、最近ではマッコーネル曲線が主流となっています。このマッコーネル緩和曲線は、選手がハンドルを大きく切る必要がなく、直線的に走行する感覚を持たせるため、選手たちの高い評価を得ています。

周長と規格

トラックの周長は133mから500mまで多岐に渡りますが、特にオリンピックや世界選手権などの国際大会では250mのコースが規定されています。日本国内では、特に400mのトラックが多く存在する一方、333.33mのトラックも一般に用いられています。

日本における自転車競技場

日本には全国に43か所の競輪場が存在する他、様々な自転車競技場が点在しています。特に自治体ごとに必ず自転車競技場を設ける必要があることから、その数は徐々に増加しています。競輪場を除く競技場については、歴史的に利用されてきた場が多く、現在に至るまで多様な大会が開催されています。過去に使われた施設の中には、甲子園南運動場や晴海ボードトラックなどがあり、これらはいずれも利用されなくなりました。

海外の自転車競技場

国外にも多くの著名な自転車競技場があります。フランスのルーベ・ベロドロームや、イギリスのマンチェスター・ベロドロームなどは、その名を馳せるトラックレースの舞台です。これらの会場は、数多くの国際大会やチャンピオンシップが行われる重要な施設であり、毎年多くの選手が競い合う場所となっています。

自転車競技場は、選手たちの技術を最大限に発揮させる場として、またファンにとっての興奮の場として、今後も多くの人々に親しまれていくことでしょう。

もう一度検索