臼井二美男

臼井 二美男（うすい ふみお）

臼井二美男は、1955年8月28日生まれの日本の義肢装具士であり、人々が日常生活やスポーツにおいて自立できるよう支える活動に注力しています。群馬県前橋市出身で、群馬県立前橋高等学校を卒業後、和光大学の人文学部に進学しましたが、中退してしまいました。大学を離れた後はフリーターとしての期間が8年続きました。彼の人生は28歳で大きな転機を迎え、財団法人鉄道弘済会・東京身体障害者福祉センター（現在の公益財団法人鉄道弘済会・義肢装具サポートセンター）に就職し、義肢装具士としてのキャリアをスタートさせます。

義肢装具士として、臼井の仕事は主に義足の製作に特化しています。1989年からは、スピードやパフォーマンス向上のためのスポーツ義足の開発にも取り組み始めました。さらに1991年には、切断障害者のための陸上クラブ「ヘルス・エンジェルス」を立ち上げ、クラブ代表として選手たちに対して義足を使用したスポーツの指導を行っています。このクラブでは、選手たちが成長し中には日本記録を達成するまでになった者もいます。

2000年のシドニー及び2004年のアテネパラリンピックにおいては、日本代表選手のメカニックとしても活躍し、選手たちと共に感動の瞬間を共有しました。臼井は、義足に関する常識を打ち破る義足の開発にも取り組んでおり、例えばマタニティ義足やリアルコスメチック義足など、これまで誰も試みなかった新しいコンセプトの義足を発表しています。彼の日々の研究と開発への尽力は、義足が必要な人たちの生活の質を向上させることに貢献しています。

臼井の技術や姿勢は高く評価されており、テレビ出演などメディアに出る機会も多い彼は、義肢装具士としての職務を通じて多くの人々に希望を与えています。また、2023年11月18日公開予定の映画『シンデレラガール』では、義足監修を担当し、映画の中でその技術力を生かしています。

主な著作

臼井は著書『転んでも、大丈夫 ぼくが義足を作る理由』（2016年、ポプラ社）を出版しており、自身の経験や義足に対する思いを綴っています。

受賞歴

彼の努力と技術は多くの賞も受賞しており、以下のような栄誉があります。

• - 第6回スポーツチャレンジ賞功労賞
• - 第9回AJPS AWARD
• - 第24回毎日スポーツ人賞文化賞
• - 第51回吉川英治文化賞
• - 2020年 現代の名工
• - 第9回ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞
• - 2023年 黄綬褒章

臼井二美男の活動は、義足という技術を通じて、数多くの人々の生活をより良くすることを目指し続けています。彼の経験や技術は、今後も多くの障害者スポーツに対する支援や、新たな挑戦に繫がっていくことでしょう。

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