興信所

興信所について

興信所（こうしんじょ）とは、企業や個人の信用状態や行動を調査するための民間の機関です。興信所は特に、依頼者からの要請に基づき、さまざまな形で調査を行います。これには、インタビューや尾行、張込みなど、実際に現地で行う調査手法が含まれています。

法的規制

興信所が行う調査業務は、2005年から施行された探偵業法によって規制されています。この法律のもと、興信所は探偵業者として正式に届出を行うことが求められます。さらに、2005年には個人情報保護法も全面的に施行され、興信所業者に対して個人情報保護のための適切な措置を講じることが強調されています。

警察庁からは、「興信所業者が講ずべき個人情報保護のための措置の特例に関する指針」が発表されています。これは法的な強制力はありませんが、特定の状況において対象者に調査の旨を通知することが望ましいとされています。この通知の必要がない状況としては、法令の履行や依頼者の子に関する調査、不正な行為への防止などが挙げられています。

興信所業界の全体像

興信所は、比較的参入のハードルが低いため、多くの中小企業がこの業界に存在しています。そのため、業界は非常に多岐にわたっており、多くの場合、興信所は実質的に探偵事務所としての機能を持っています。そのため、興信所と呼ばれる事業所も探偵業務を多く手掛けているのが現状です。

興信所の歴史

興信所の歴史は比較的古く、最初に設立されたのは1892年（明治25年）に設立された「商業興信所」です。この興信所は、当時の銀行間の信用調査を行う目的で、外山脩造という人物によって設立されました。その後、1892年には白崎敬之助が「商工社」を創業し、これは後の東京商工リサーチの前身となります。さらに、1900年には帝国興信所が設立され、帝国データバンクの基盤となりました。

1969年には、興信所が除籍簿を不正に利用し、未開放部落出身者の経歴を暴露していたことが明るみに出たりし、これを受けて部落解放同盟からの強い批判を受ける事件も起きました。

興信所と探偵業の違い

現在、興信所と探偵業の機能は非常に類似しており、実質的な違いはありません。ただし、言葉の意味としては異なります。興信所は「信用を興す」という意味合いがあり、主に信用調査を行う意図が強いのに対して、探偵は「偵を探す」という観点から、行動を観察することを目的としています。したがって、言語的に解釈するならば、興信所はより高度な調査を求められることが多いと考えられます。

関連項目

• - 探偵
• - 探偵業の業務の適正化に関する法律（探偵業法）
• - 信用調査会社

興信所は個人や企業の信頼性を調査する重要な役割を果たしているため、これらの法的規制や業界の状況を理解することは極めて重要です。

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