除籍簿

除籍簿とは

除籍簿とは、戸籍に記載されていた全員が、死亡、失踪宣告、婚姻、離婚、養子縁組、分籍、転籍などの理由でその戸籍から除かれた場合に、元の戸籍簿から分離して編纂される特別な帳簿です。戸籍法では、この除籍簿に綴られた戸籍を「除かれた戸籍」と表現します。

除籍謄本と除籍抄本

除籍簿に記載されている内容を証明する書類として、除籍謄本と除籍抄本があります。除籍謄本は、除籍簿に記載された内容の全部を写したものであり、除籍抄本は、その一部を写したものです。これらの書類は、相続手続きなど、特定の状況下で必要となる重要な書類です。

除籍簿の閲覧制限

かつては、除籍簿は自由に閲覧することが可能でした。しかし、1969年、興信所が除籍簿を利用して、特定の人物の出自に関する情報を暴露する事件が発生しました。この事件をきっかけに、プライバシー保護の観点から戸籍の閲覧制限に関する議論が活発化し、1976年の戸籍法改正により、除籍簿の自由な閲覧は禁止されることとなりました。現在の制度では、戸籍簿と同様に、除籍簿の閲覧や謄抄本の交付は、特定の関係者や正当な理由がある場合に限られています。

除籍簿の必要性

除籍簿に記載されている人が必ずしも死亡しているとは限りませんが、除籍謄抄本が必要となるのは、主に相続関係の確定など、死亡者に関わる手続きの場合が多いです。そのため、除籍謄抄本の交付を請求できるのは、その戸籍に記載されている本人、配偶者、直系尊属、直系卑属のほか、相続関係を証明する必要がある場合や、弁護士、司法書士、行政書士などが職務上必要な場合に限定されています。一方で、戸籍謄抄本については、上記以外でも正当な理由があれば交付を請求できます。

その他

除籍簿は、その性質上、滅失する可能性があることにも注意が必要です。

関連事項

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注意
この説明は、2023年11月現在の情報に基づいています。法律や制度は改正される場合がありますので、最新の情報は関係機関にご確認ください。

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