興安総省

興安総省の概要

興安総省（こうあんそうしょう）は、かつて満洲国に存在した行政区画であり、中国東北部の北西に位置していた。この省の設立の背景には、1932年3月9日に創設された興安省があり、その後様々な変更を経て1944年に興安総省が設立された。本記事では、興安省と興安総省の沿革を詳しく見ていく。

沿革の詳細

興安省の設置は1932年にまで遡る。この年、満洲国の統治エリアであった内蒙古盟旗地区において、興安省およびその分省として興安東分省、南分省、北分省が設置された。興安省は他の省と異なり、行政管理を満洲国の国務院興安局が行い、省公署は設置されなかった。その後、1945年8月にソ連が対日参戦し、満洲国が崩壊すると、興安総省の省長であったボヤンマンダフが東モンゴル自治政府に改組された。

興安の分省と地区

興安省は複数の分省を統括していた。

• - 興安東分省は1932年に設置され、治安上の理由から当初の計画が変更され、暫定的に黒竜江省城で政務を開始した。1934年には興安東省に改編された。
• - 興安南分省も同年に設立され、1944年に興安総省に統合されるまでの間に、いくつかの行政区画が変化している。
• - 興安北分省は1932年に設置され、その後改編を経て1944年には興安北省として興安総省に統合された。
• - 興安西分省は1933年に設立され、1944年の興安総省設立時に興西地区として再編された。

行政区画

興安総省の設立に伴い、以下のような行政区画が管轄されていた。これにより、25旗4県2市が興安総省の下に管理されることとなった。

興北地区

興安北省は1944年に組織され、以下の6旗2県を管轄していた：

• - 索倫旗
• - 新巴爾虎左翼旗
• - 新巴爾虎右翼旗
• - 陳巴爾虎旗
• - 額爾古納左翼旗
• - 額爾古納右翼旗
• - 海拉爾市
• - 満洲里市

興南地区

興安南省は1934年に改編され、次の地域を管理していた：

• - 科爾沁左翼前旗
• - 科爾沁左翼中旗
• - 科爾沁左翼後旗
• - 庫倫旗
• - 奈曼旗
• - 通遼県
• - 開魯県

興東地区

興安東分省が廃止された後、興安東省として再編され、以下の区域が含まれていた：

• - 雅魯県
• - 布西県
• - 索倫県

興西地区

興安西分省は1944年に改編と再編が行われ、以下の区域が含まれていた：

• - 阿魯科爾沁旗
• - 巴林左翼旗
• - 巴林右翼旗
• - 克什克騰旗
• - 林西県

歴代省長

博彦満都は、1943年10月1日から終戦時まで興安総省の省長を務めた。彼のリーダーシップの下、興安総省は省としての役割を果たし、地方行政の維持に努めた。

終わりに

興安総省は短命ではあったものの、満洲国の歴史における重要な地域の一つであり、その制度や組織は後の歴史にも影響を与えた。本記事が興安総省の理解に寄与することを願っている。

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