興教寺 (西安市)

興教寺：玄奘三蔵ゆかりの地、シルクロードの遺産

興教寺は、中国陝西省西安市の南郊に位置する仏教寺院です。この寺院は、中国に仏教を伝えた玄奘三蔵が亡くなった後、唐の時代の皇帝である高宗によって建立されました。当時、興教寺は唐代における仏教の総本山としての役割を果たしていました。

玄奘三蔵の遺骨を祀る

寺院内には、玄奘三蔵の遺骨を保存するための五層の舎利塔が建てられています。また、玄奘三蔵の弟子である基（窺基）と円測の舎利塔も境内にあります。興教寺は、669年に玄奘三蔵の遺骨を埋葬するために創建されました。当初、玄奘三蔵は664年に東郊の白鹿原に埋葬されましたが、その後、樊川の風栖原に改葬され、その場所に興教寺が建てられました。興教寺は、唐代の樊川八大寺院の一つとして知られています。

歴史の中で

唐末の黄巣の乱の際、舎利塔は破壊され、玄奘三蔵の遺骨は行方不明となりました。その後、舎利塔は唐朝によって再建されましたが、清朝の同治年間に再び被災しました。中華民国時代に修復が行われました。文化大革命の際には、宗教活動は停止されましたが、周恩来の指示により、建築物の被害はありませんでした。

シルクロードの重要な遺跡

玄奘三蔵とその弟子たちの舎利塔は、シルクロードを通じてインドや西域と中国との交流を行った人物の遺跡として、重要な意味を持っています。2014年には、「シルクロード：長安－天山回廊の交易路網」の構成資産の一つとして、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。また、玄奘三蔵が持ち帰った貝葉経は、中国の国宝として大切に保管されています。

アクセス

興教寺へのアクセスは、西安地下鉄2号線の航天城駅で下車し、「東長安路西口」バス停から917路バスに乗り換え、「興教寺」バス停で下車後、徒歩約10分です。入場は無料です。

興教寺は、玄奘三蔵の足跡を辿り、シルクロードの歴史に触れることができる貴重な場所です。西安を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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