舘岡儀秋

舘岡儀秋（たておか よしあき）は、1949年に生まれ、2014年に没した日本の体育学者、教育者であり、アマチュア相撲界で顕著な功績を残した人物です。1971年にはアマチュア横綱に輝き、その後は指導者として、また教育者として多岐にわたる活動を展開しました。

秋田県出身の舘岡は、秋田県立鷹巣農林高等学校（現在の秋田北鷹高校）を経て、1972年に駒澤大学経済学部商学科を卒業しました。学生時代から相撲選手として頭角を現し、1970年には全国学生選抜鹿児島大会で個人優勝を果たしました。1971年には、大学4年生の時に全日本大学選抜十和田大会でも個人優勝を成し遂げ、全国学生選手権大会では団体優勝の原動力となるとともに、個人としても優勝を果たし、第49代学生横綱となりました。

同年には、第20回全日本相撲選手権でも優勝し、アマチュア横綱の座を獲得。学生横綱と全日本選手権の両方を制覇するという、史上2人目の記録を樹立しました。その後も、1973年と1975年の全日本相撲選手権で3位入賞を果たし、その実力を示しました。また、国体では東京都代表として5度の団体優勝に貢献しました。

1979年には、第10回全国選抜社会人相撲選手権大会の個人戦で優勝。1980年、1981年には同大会で3位入賞（田淵産業所属）を果たし、社会人としても活躍しました。1981年からは母校である駒澤大学相撲部の監督に就任し、松鳳山裕也など数多くの力士を育成しました。教育者としては、駒澤大学の総合教育研究部（スポーツ・健康科学部門）教授を務め、後進の指導にあたりました。

指導者、教育者としての活動と並行して、相撲界の要職も歴任しました。1984年4月から1999年3月まで財団法人日本相撲連盟の常務理事、1992年4月から1999年3月まで国際相撲連盟の常任理事を務めました。さらに、1993年4月から1997年3月には東日本学生相撲連盟理事長、日本学生相撲連盟理事長も兼任。1995年4月から1999年3月には、財団法人日本オリンピック委員会評議委員・選手強化本部委員も務めました。これらの役職を通じて、相撲競技の発展に大きく貢献しました。

著書としては、1988年4月にカヅサ出版部から刊行された『保健体育概論』に、大石武士、太田誠、上山智身、髙橋俊介、長濱友雄、牧野茂、光永吉輝、三幣晴三、宮沢栄作、森本葵、田中佳孝、村松誠、秋田浩一、竹田幸夫らと共著で執筆しています。この著書は、体育に関する知識と理解を深めるための基礎的な内容を網羅しており、教育現場での活用が期待されています。

舘岡儀秋は、相撲選手としての輝かしい実績、指導者としての熱心な育成、教育者としての貢献を通じて、日本のスポーツ界に多大な足跡を残しました。アマチュア相撲界の発展、後進の育成に尽力した人物として、その功績は永く語り継がれるでしょう。

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