舞阪宿

舞阪宿

舞阪宿（まいさかじゅく）は、東海道五十三次に属し、日本橋から30番目の宿場町です。現在の静岡県浜松市中央区舞阪町に広がるこの町の歴史は豊かで、さまざまな自然災害や文化的な出来事に影響を受けてきました。

位置と地理

舞阪宿は、浜名湖の今切口に面した低地に位置しています。周囲には新川、浜名湖、さらに遠州灘が広がり、標高およそ3メートルの地点にあります。この地域は、陸続きだった過去の地形から、時の流れと共に変化しています。

歴史的背景

中世期、1538年に起きた明応地震は舞阪に大きな影響を与えました。この地震による津波が遠州灘沿岸を襲った結果、浜名湖の開口部が沈下し、海水が流入して塩水湖となってしまいました。舞坂はこの地震以前は「前沢」と呼ばれており、周囲と連結していました。

津波と地震の影響

舞坂宿だけではなく、遠州灘全体が過去の地震や津波の影響を受けています。元禄12年（1699年）には高潮により新居関所が崩壊し、元禄14年（1701年）には津波によって関所が移転されました。さらに、宝永4年（1707年）に発生した宝永地震の際には、舞坂宿も大きな被害を受け、対岸の新居宿では多くの建物が損壊しました。

これらの災害は舞坂宿とその周辺に新たな航路や交通経路を形成する原因となり、利用者が東海道を利用することを避けるようにもなりました。これにより、本坂通行が主流となっていきました。

交通と関所

舞坂宿は「今切の渡し」と呼ばれる船の渡し場があり、浜名湖と遠州灘を結ぶ重要な交通路となりました。舞坂から対岸の荒井宿までの距離は約6キロメートルで、宝永地震後にはこの航路の延長が必要でした。舞坂宿の船着場には階段状の「雁木」が整備され、旅人や商人が利用しました。これにより、宿場の賑わいが保たれていました。

名所と旧跡

舞坂宿にはいくつかの名所や旧跡が残っています。「舞坂宿北雁木」や「舞坂宿脇本陣」などは、この地域の文化や歴史を感じさせる貴重な場所として訪れる人々を惹きつけています。特に、脇本陣の「茗荷屋」は天保年間に設立された歴史的な建物であり、現在も浜松市により保護されて公開されています。

結論

舞阪宿は、歴史的な地震と津波の影響を受け続けながら形成された宿場町であり、浜名湖の美しい景色とともにその歴史を感じることができます。旅人や観光客にとって、過去の災害や文化を体験し、学びながら楽しむことのできる場所です。

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