航空通信士

航空通信士について

航空通信士（こうくうつうし）は、国土交通省によって認定された航空従事者国家資格の一つです。この資格は、航空機に搭乗して無線通信設備を操作するために必要不可欠です。特に、無線通信の受信を含むさまざまな操作が求められます。

航空通信士の資格は、等級の区分やその他の制限が無いため、誰でも取得できる可能性があります。ただし、航空機の運航に関わる操縦士や他の運行従事者が必要とする無線従事者資格を持っている場合は、この資格を別途取得する必要はありません。たとえば、航空特殊無線技士の資格を持っている者でも、必要な無線従事者の資格を保持していれば航空通信士の資格取得は不要です。

試験の概要

航空通信士の国家試験は年に2回実施されており、その運営は国土交通省が担っています。学科試験を受けるための特別な条件は設けられていませんが、技能証明の申請には最低17歳以上で、第一級または第二級の総合無線通信士または航空無線通信士の資格が求められます。ただし、航空特殊無線技士は技能証明の申請を行うことができないため注意が必要です。

全体の運航に関わる運行従事者は、航空機に乗り込んでいる間に無線設備を操作することができ、特定の範囲内で無線通信を行うことが合法的に認められています。近年、通信機器の発展に伴い、無線通信の操作が簡素化されてきたために、専任の航空通信士を採用する民間航空業者はほとんど存在しなくなりました。

海上保安庁と自衛隊における航空通信士

一方で、海上保安庁では海難救助の際に航空機を使用することがあり、操縦士は自機の運航に関する通信に専念します。そのため、遭難船との通信などは、搭乗している航空通信士が担当することが多いです。このような背景から、有資格者の採用や養成が不定期に行われています。

自衛隊においては、航法・通信員や機上無線員がいますが、これらの人材は航空従事者の枠には属していません。自衛隊独自の資格制度に基づいており、必ずしも航空通信士の資格を必要としません。しかし、技術的なスキルを持たせるために技能証明を取得させたり、有資格者を雇用することもあります。

試験科目

航空通信士の試験には、以下の学科があります。これらは航空通信に関連した様々な分野を含んでいます。

1. 航空通信（概要） – 全資格共通の問題を含んでいます。
2. 航空機の構造（概要） – 航空工学の基本を簡単に説明した内容です。
3. 航法 – 簡単な概要と、人間の能力や限界に関する知識が求められます。
4. 航空気象（簡略な概要） – 気象の基本的な理解が必要です。
5. 航空法規 – 国内および国際航空法規に関する概要を理解しておくことが求められます。

これらの知識を基に、航空通信士としての地位を確立することが期待されています。

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