船原長生

船原 長生（ふなはら ちょうせい）

1953年12月10日、兵庫県生まれ。アメリカ合衆国を拠点に活動する音楽家、映画監督、映画プロデューサーです。パンク・ロックのベーシストからキャリアを始め、その後は映像製作、特にデジタル技術開発においてパイオニア的な貢献を果たしました。

多様なキャリアパス

学生時代から多くの文化人と交流。日本大学芸術学部で映画を学び渡米後、ニューヨーク大学大学院在学中にカルト的なパンク・ロック・バンド、プラズマティックスにベーシストとして参加し注目を集めます。その過激なパフォーマンスで人気を博し、ニューヨークの顔となりましたが、映画製作への夢を追求するため、人気絶頂期にバンドを脱退しました。

その後、音楽ビジネスへ転じ、作家の村上龍らと親交を深めます。1982年にはブロードウェイ・ミュージカルの作曲を手がけ日本人初の快挙。翌年にはMV制作会社を設立し、監督としてRCサクセションやRun-D.M.C.の作品を監督。特にRun-D.M.C.を初期MTVで紹介しヒップホップ普及に貢献しました。音楽・映像分野で幅広く活動し、アルゼンチン・タンゴの日本紹介なども行いました。

1987年には自身の映像制作会社を設立し、劇場用長編映画製作を本格化。プロデューサー・製作総指揮として、サンダンス映画祭グランプリ受賞作『イン・ザ・スープ』や村上龍原作『トパーズ』など、国内外で評価される作品を多数手がけました。アメリカ映画産業における資金調達にも関与し、ハリウッドでの地位を確立。

デジタル技術の開拓者

インターネット黎明期から映像配信に着目。1996年には世界に先駆けてブロードバンドを用いた映像ストリーミング配信を実現。デジタル・インターミディエイト（DI）技術開発にも関わり、ハリウッドの新たな映像規格策定に貢献しました。その技術的知見は高く評価され、ICG、DCI、SMPTEなどハリウッドの主要技術団体のメンバーシップを獲得。映画芸術科学アカデミー公認日本語ブロガーも務めました。

現在の活動

近年はHBOやスタンダード&プアーズといった大手企業に対し、デジタル映像分野のコンサルティングを提供。ハリウッドのデジタルシネマ規格推進にも引き続き関与しています。長編劇映画に加え、短編、MV、CMなど、多岐にわたる映像作品の製作に携わっています。2016年の米国大統領選での広報活動や、2021年からのYouTubeチャンネル開設など、その活動は映像・音楽分野を超え、社会的な側面にも広がっています。現在も新たな作品を製作中です。

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