船場 (大阪市)

船場（せんば）

船場は大阪府大阪市中央区に位置する地域であり、市の中心業務地区（CBD）として重要な役割を持っています。この地域は、大坂の町人文化が栄え、特に江戸時代から戦前期にかけて「船場言葉」と呼ばれる大阪弁の規範とされてきました。

概要

船場の地域は、約南北2km、東西1kmの四角形のエリアで構成されており、いくつかの河川と人工堀によって囲まれています。具体的には、東端が東横堀川、西端が西横堀川、南端が長堀川、北端が土佐堀川となっています。江戸時代の名残として、本町通の北側を「北船場」、南側を「南船場」と分けて呼ぶこともあります。また、周辺地域としては東に上町、南に島之内、西に下船場、北に中之島があります。

船場という名称の由来については、以下のいくつかの説があります。

• - かつて戦争が多発したため、「戦場」と名付けられた。
• - 大坂城の馬を洗っていた地域であり、「洗馬」と呼ばれた。
• - 砂浜であったことから「砂場」と呼ばれ、それが転訛して「船場」となった。
• - 古代には船着き場であり、そこから「船場」という名前になった。

現在の町名と街路

船場地域は、東西に23本の通（とおり）、南北に13本の筋（すじ）が存在し、それらが交わることで碁盤目状の街区を形成しています。町割りの基軸は上町地域から東西へ延びる主要街路が織り成し、船場の町割りに影響を与えています。初期の町割りでは、通と筋の幅に差があり、通が商家に重視されたため、ほとんどの大商家は通沿いに店を構えていました。

また、町割りは歴史地理学的にみても重要で、竪町割りに分類される船場地域は、特に東西に長い町が多いことが特徴です。

歴史

船場の歴史は1583年に豊臣秀吉が大坂城を築城したことから始まります。当初、大坂の中心は町人が多く住む上町地域でしたが、大坂城の拡張に伴い、町人たちが移住することで船場の開発が本格化しました。江戸時代には、商業活動が盛んになり、船場周辺は大坂の経済の中心地として発展しました。

現代の船場

現代においても船場は繊維問屋や商社、証券会社、銀行の集中地区となり、経済活動が活発です。しかし、過密状態が課題となっており、郊外への移転や再開発も進められています。また、地域住民は活気を取り戻すべくイベントを開き、他の地域との交流も促進しています。

まとめ

船場は、その独自の文化や歴史的背景を持つ特異な地域であり、今なお多くの商業活動が行われています。町名の変遷や街の様子を辿りながら、地域の活気を感じることができるでしょう。

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