島之内

島之内：大阪ミナミの歴史と魅力

島之内は、大阪府大阪市中央区に位置する地域、または同地域東部の町名です。現在では島之内一丁目と島之内二丁目として行政的に区画されています。かつては東横堀川、西横堀川、道頓堀川、長堀川という四つの堀川に囲まれた、東西約1.2km、南北約650mのほぼ長方形の地域でした。この堀川に囲まれた「島」の内側という意味で、島之内と呼ばれるようになったのです。

地理と街並み

島之内は、東に上町、西に堀江、南に道頓堀、北に船場という、大阪を代表するエリアに囲まれた立地にあります。船場と同様に碁盤目状の街路が特徴ですが、東西方向の道路を「通」と必ずしも呼ばないことや、南北方向の町割りが多かった点が異なります。

街路

東西方向の主な街路には、北から順に長堀通、鰻谷北通（鰻谷上之町通）、鰻谷南通（鰻谷中之町通）、大宝寺通（いちょう通り）、清水町筋（清水通）、周防町筋（周防町通、ヨーロッパ通り）、八幡筋、三津寺筋（三ツ寺筋）、新屋敷筋、宗右衛門町通などがあります。

南北方向の主な街路は、東から順に問屋町筋（東横堀筋）、竹屋町筋、南綿屋町筋（板屋橋筋）、鍛冶屋町筋、堺筋（長堀橋筋）、千年町筋、玉屋町筋（中橋筋）、笠屋町筋（三休橋筋）、畳屋町筋、心斎橋筋（はっ筋）、御堂筋（国道25号）、佐野屋橋筋、大黒橋筋、炭屋町筋（西横堀筋、横堀筋）などです。周防町筋以南は、飲食店が集中する歓楽街として知られています。

歴史

島之内の歴史は古く、元々は西成郡下難波村と三津寺村の一部でした。1615年（元和元年）の大坂夏の陣後、松平忠明による復興事業によって大坂城下の一部として開発されました。

東横堀川と西横堀川沿いには、泉屋や大坂屋といった大坂銅吹屋が、長堀川沿いには石屋が密集し、多くの職人町が形成されました。一方、道頓堀の芝居町の影響を強く受けた南部地域は、19世紀後半には24もの茶屋御免の町が存在し、遊里が点在する色町として栄え、「粋どころ」と呼ばれていました。

「ミナミ」という呼び名は、元々は島之内を指す名称でした。他に「江南」「南江」「南州」「南陽」「陽台」「崎陽」など、多くの異名を持っています。

町名の変遷

明治以前は55町ありましたが、明治5年の町名改編で28町に、そして昭和57年と平成元年の改編を経て、現在の9町となりました。それぞれの改編で町名や区域が大きく変化しています。

近年の島之内

現在、島之内は、心斎橋筋商店街、大丸心斎橋店、アメリカ村、ビッグステップ、心斎橋OPAなどの商業施設や、多くの企業、ホテル、金融機関、病院、学校、そして行政機関などが集まる、大阪を代表する賑やかな地域となっています。心斎橋駅や長堀橋駅など、複数の地下鉄駅もアクセスが良く、交通の便も良好です。

歴史と文化、そして現代的な商業施設が調和した、独特の魅力を持つ島之内は、これからも大阪の中心地として発展を続けるでしょう。

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