船屋形

船屋形（ふなやかた）について

兵庫県神戸市中央区の相楽園内に位置する船屋形は、歴史的な価値を持つ建物であり、江戸時代の御座船として知られています。この船は、主に大名が参勤交代や観光目的で使用していたもので、現在は数少ない現存する川御座船の一つです。特にこの船屋形は、他の御座船とは異なり、唯一無二の存在として重要文化財に指定されています。

歴史的背景

船屋形は、姫路藩で使われていた川御座船の屋形部分に該当します。建造年は1682年から1704年の間であると推定され、飾り金具に見られる本多氏の家紋がその証拠となっています。この船が存在した時代は、江戸時代中期にあたり、大名たちの移動手段として重要な役割を果たしていました。

しかし、幕末には、船屋形は飾磨港（現在の姫路港）に移され、その後明治時代に入ると大規模な改変が行われ、船体部分は廃棄されてしまいました。屋形部分も大きく変わりましたが、その後の復元作業によって部分的に忠実に再建されました。昭和14年には垂水区舞子に移築され、1980年に現在の相楽園に移されています。

建築概要

船屋形は、木造2階建ての建築物であり、切妻造の屋根が特徴です。建物の構造は桁行五間、梁間一間で、一重二階の形態を持っています。建築面積は43.74平方メートルにおよび、細部には江戸時代の技術や美学が隠されています。昭和28年には重要文化財として政府に認定され、その価値がより一層高まりました。

交通アクセス

船屋形へのアクセスも良好です。山陽新幹線の新神戸駅から徒歩18分、また神戸市営地下鉄の県庁前駅からは徒歩5分と、公共交通機関を利用して訪れる際には非常に便利です。JR神戸線の元町駅や阪神本線の元町駅からも、徒歩10分で到着できます。

周辺情報

相楽園は船屋形が位置する美しい日本庭園であり、この地域には旧ハッサム住宅や兵庫県公館など、他にも多くの歴史的建物が点在しています。また、北野町には山本通や北野工房のまち、神戸市水の科学博物館など、訪れる価値のあるスポットがあります。これらの場所と合わせて巡ることで、神戸の文化や歴史をより深く理解することができます。

関連項目

船屋形は、和船や屋形船とも関連しており、日本の伝統的な船の形態や使用方法についての理解を深める手助けとなるでしょう。姫路藩とのつながりも深く、地域の歴史や文化を知るうえで欠かせない存在となっています。

参考資料

さらに詳しい情報は、文化遺産オンラインや神戸市の公式サイトで確認することができます。船屋形に関するさまざまな資料や見学会情報も提供されていますので、訪れる際にはぜひご参考にしてください。

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