船橋サーキット

船橋サーキットの概要

船橋サーキット（ふなばしサーキット）は、千葉県船橋市若松町（現在の浜町）にかつて存在した自動車サーキットです。1965年に開設され、当時の日本における新たなレジャー施設として、多くのレーシングイベントを開催しました。しかし、運営開始から約2年後の1967年に閉鎖され、近年はその跡地が他の施設に利用されています。

設立の背景

1960年代半ば、朝日土地興業株式会社は新たなレジャー施設の開発を目指していました。そこで、事実上の運営者である丹澤章浩氏が元F1ドライバーのピエロ・タルッフィにサーキットの設計を依頼し、好意的に受け入れられました。その結果、資本金2億円で有限会社船橋サーキットが設立され、1965年7月に開設されました。

サーキットの特徴と運営

船橋サーキットは、日本で3番目のサーキットとして位置づけられ、月に1〜3回程度のレースやジムカーナが開催されました。また、レーシングクラブ向けのライセンス講習やレンタカーによる体験走行も行われ、自動車競技の普及にも寄与しました。

しかし、大規模レースの誘致に苦労し、自動車メーカーによる貸切利用もほとんどなかったため、特に平日の利用が少なく、維持費の高騰に悩まされました。さらに、朝日土地興業自体の経営悪化も影響し、開設からわずか2年で運営を断念する決断が下されました。

閉鎖の経緯

1967年、船橋オートレース場の移転問題が発生したこともあり、朝日土地興業はオートレース関係者との交渉を進め、合意が得られた結果、船橋サーキットは1967年7月に閉鎖されました。

コースと施設

船橋サーキットは、鈴鹿サーキットや富士スピードウェイと比較して敷地面積が狭かったため、テクニカルなコース設計が施されました。コースには、600mの直線や様々なカーブが組み合わされ、以下の3つのコースが設定されました。

• - 3.1km - ジュニアチャンピオンレース向け
• - 2.4km - クラブマンレース向け
• - 1.8km - ストックカーレース向け

特に1.8kmコースはジムカーナも同時開催できる独特な構造となっていました。観客の収容人数は最大で50,000人にも達し、スタンドからはサーキット全体を見渡すことができる設計がなされていました。また、10,000台収容の駐車場も完備していました。

栄光と跡地利用

1964年に設立された株式会社船橋サーキットは、1967年7月に閉鎖され、その跡地には後に船橋オートレース場が設置されました。このオートレース場も2016年に閉鎖され、現在は解体されていますが、旧サーキットのレイアウトは一部残されています。

船橋サーキットが描かれた作品

船橋サーキットは、その当時の文化を反映した映画にも登場しました。「四つの恋の物語」（1965年）や「嵐を呼ぶ男」（1966年）などでその姿を見ることができます。

まとめ

船橋サーキットは、日本の自動車レース史において重要な施設の一つでした。その歴史はわずか2年でしたが、今でも多くのファンの記憶に残っています。

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