色平哲郎

色平 哲郎（いろひら てつろう）

色平哲郎は、1960年1月29日に横浜市で生まれた、日本の内科医であり、元農協職員です。彼の経歴は多岐にわたり、地域医療に情熱を注いできました。彼は東京大学を中退した後、様々な国を旅し、90年に京都大学医学部を卒業しました。同年、JA長野厚生連佐久総合病院に就職し、そこで医師としてのキャリアをスタートさせました。

医師としてのキャリア

色平哲郎は1995年にタイ政府から表彰を受け、国際的な視野を持つ医師として注目されました。その後、1998年から南相木村の診療所で地域医療に従事し、10年間地域住民の健康を支えました。彼の取り組みは地域医療だけでなく、より広い観点からの医療のあり方にも影響を及ぼしています。色平は2003年に山室静文学記念佐久文化賞を受賞し、彼の業績が評価されるとともに、2011年にはヘルシー・ソサエティ賞も受賞しています。加えて、2013年には在日フィリピン大使館より表彰され、国際的な医療活動においても受け入れられています。

色平は現在、佐久総合病院の地域医療部において地域ケア科医長として、また立命館大学の客員教授として教鞭を取っており、未来の医療を担う人材の育成にも力を入れています。さらに、世界こども財団の評議員として、子どもたちの健康と福祉向上にも尽力しています。

地球環境医学への取り組み

色平は現在、「農村医療から世界を診る　地球（環境）医学とは何か？」というプラネタリーヘルス講座を開講しており、地域医療の経験を基に環境医学にも関心を寄せています。この講座では、農村医療と地球全体の健康を結びつける視点から、持続可能な医療の在り方を模索しています。彼は「めざせ、地球のお医者さん＝宇宙船地球号の船医さん」というビジョンを掲げ、地球規模での課題解決に寄与する医師の役割を求めています。

著書と出版活動

色平哲郎は多くの著書を執筆しており、彼の考えや医療に対する情熱が伝わる作品が揃っています。特に、2002年に発表した伝記「風と土のカルテ　色平哲郎の軌跡」や、同年の『源流の発想 21世紀-ムラ医療の現場から』は、彼の医療哲学を語る重要な一冊です。また、2003年の『大往生の条件』や2012年の『風のひと土のひと 医す立場からの伝言』などは、医療現場での経験を基にした実用的な知見を提供しています。

さらに、近年では「農村医療から世界を診る　良いケアのために」（2022年）や、「地域をつむぐ、いのちの連鎖」（2024年）といった書籍を通じて、地域医療とその重要性を広めています。共編著としても『命に値段がつく日 所得格差医療』（2005年）や、『TPPで暮らしはどうなる?』（2013年）など、幅広いテーマについて執筆しています。

色平哲郎は、医療の枠を超えて環境問題や社会的な格差に目を向け、未来に向けた医療の新たな可能性を追求し続けています。

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