佐久総合病院
佐久総合病院は、長野県佐久市臼田に位置する、JA長野厚生連が運営する基幹病院です。地域医療と高度専門医療の両立を目指し、長野県東信地方の医療を支える重要な役割を担っています。地域からは「佐久病院」の愛称で親しまれています。
1959年、全国に先駆けて八千穂村（現佐久穂町）で行われた全村健康管理と集団検診は、その後の日本の予防医療のモデルとなりました。この取り組みは、テレビ番組「プロジェクトX〜挑戦者たち〜」でも取り上げられ、広く知られることとなりました。佐久総合病院は「予防は治療に勝る。早期発見早期治療」をスローガンに、県内各地での健康診断や健康増進活動を積極的に展開しています。また、地域のお祭りである小満祭と一体化した病院祭は、病院全体が飾り付けられ、職員による演劇や演奏、医療トピックスの紹介、出店などで賑わいます。
「農民とともに」というスローガンのもと、地域のニーズに応じた医療を提供し、農村医学という分野を確立しました。1969年には、第4回国際農村医学会議が佐久総合病院で開催されました。また、地域医療を担う人材育成のため、農村医科大学の設立を目指しました。これらの活動は、若月俊一の「村で病気とたたかう」、南木佳士の「信州に上医あり」に詳しく記されています。病院内には演劇班や吹奏楽団などの文化活動も盛んで、屋上から聞こえる応援団の練習は、夏の風物詩となっています。地域ケア科では、訪問診療や訪問看護を中心に、高齢者や終末期患者の在宅生活を支えています。小海分院を中心とした周辺診療所への医師派遣を通じて、地域医療ネットワークを構築し、過疎地域の医療と福祉を支援しています。臨床研修病院としても長い歴史を持ち、地域医療を志す多くの医師が集まっています。
プライマリヘルスケアの確立と、中国をはじめとする発展途上国への国際保健医療への貢献も重要な柱としています。佐久病院の活動を学ぶため、アジア諸国からの視察が後を絶ちません。海外医療協力の経験を持つ職員も多く、国際的な活動も活発です。かつては、職員が病棟、外来、地域活動に5：3：2の割合で力を注ぐという方針がありましたが、現在は専門分野の細分化や地域ケア部門の独立により、この原則は薄れつつあります。
佐久総合病院は、保健・医療・福祉を軸とした地域づくりを目指す「メディコ・ポリス」構想を推進しています。これは、高齢者と若者を対象に、医療・福祉システムの整備、教育施設の充実、住民の生計を確保できる産業の振興を目的とし、農業、林業、観光などの産業と連携した公共事業です。地域に根ざしたNPOや行政機関と連携しながら、地域のニーズに応えるさまざまな活動を展開しています。
開設当初から、脊椎カリエスの手術や癌の放射線治療など、先進的な医療に積極的に取り組んできました。特に、内視鏡治療分野では、Hookナイフを用いたESD（内視鏡的粘膜下切除術）の第一人者である小山恒男医師がおり、この分野で世界トップクラスの技術を有しています。佐久病院でのESDライブデモンストレーションセミナーは、国内外から多くの内視鏡医や技師を集める恒例行事となっています。その他にも、開頭クリッピング術、開心術、腎臓移植などの高度医療も提供しています。
南部地域の拠点である小海分院をはじめ、小海診療所、老人保健施設、宅老所、訪問看護ステーション、看護専門学校などの関連施設があります。また、周辺の国保診療所への医師派遣も行い、本院や福祉施設と連携した医療福祉サービスを提供しています。
地域医療を担う医師を育成するため「農村医科大学」の構想がありましたが、実現には至っていません。しかし、農村医学研修センターでの専門職の再教育、初期および後期研修医の育成、付属看護学校での看護師養成に力を入れています。2008年には、看護学科を持つ佐久大学が開設されました。初期臨床研修先としても人気があり、毎年多くの研修医を受け入れています。毎年夏には、「農村医学夏季大学」が開催され、地域医療に貢献した人に贈られる若月賞の発表などが行われています。
2005年からは、信州ドクターヘリが常駐し、東信地区の救急医療拠点としての役割も担っています。現在は佐久医療センターから離着陸を行っています。
開設から60年以上が経過し、施設の老朽化が進んでいたため、再構築計画が進められてきました。現在の病院機能を維持しながら現地での再構築は困難と判断され、佐久市北中込の市街地に隣接する土地に、高度医療を担う基幹高度医療センターを新築し、臼田地区には地域医療センターを改築する方針が決定しました。計画は一時難航しましたが、地域住民の理解を得て、2014年3月1日に佐久医療センターが開院しました。臼田の本院でも老朽化した病棟の解体と施設増築が進められています。
総合診療科、内科、神経内科、外科、形成外科、脳神経外科、整形外科、皮膚科、歯科口腔外科、放射線科、心療内科、胃腸科、小児科、アレルギー科、産科婦人科、耳鼻咽喉科、眼科、泌尿器科、精神科、リハビリテーション科、麻酔科など幅広い診療科を擁しています。
1944年の開設以来、数々の変遷を経て現在に至ります。1945年には、若月俊一医師が外科医長として赴任し、病院の発展に大きく貢献しました。1959年の八千穂村全村健康管理の開始、1969年の第4回国際農村医学会議の開催、1976年の若月院長のマグサイサイ賞受賞など、歴史的な出来事を経て、地域医療の中核として発展してきました。2014年には、佐久医療センターが開院し、新たな歴史を刻んでいます。
保険[[医療機関]]、労災保険指定医療機関、生活保護法指定医療機関など、多くの指定医療機関として認定されています。
一般病床、ICU、療養型病床、精神科病床、感染症病床、人間ドックなど、合計779床の病床数を有しています。関連施設を含めると約1,200床になります。
佐久医療センター、小海分院、小海診療所をはじめ、健康管理センター、老人保健施設、看護専門学校、佐久大学看護学部などの関連施設があります。
JR小海線臼田駅から徒歩10分、JR北陸新幹線佐久平駅から車で20分です。
佐久総合病院と臼田駅を結ぶ送迎タクシーが運行しています。千曲バスも利用可能です。
全国厚生農業協同組合連合会、佐久医療センターなどが関連します。
JA長野厚生連佐久総合病院（本院）、JA長野厚生連佐久総合病院 佐久医療センター、JA長野厚生連佐久総合病院 小海分院の公式サイトをご覧ください。
概要
1959年、全国に先駆けて八千穂村（現佐久穂町）で行われた全村健康管理と集団検診は、その後の日本の予防医療のモデルとなりました。この取り組みは、テレビ番組「プロジェクトX〜挑戦者たち〜」でも取り上げられ、広く知られることとなりました。佐久総合病院は「予防は治療に勝る。早期発見早期治療」をスローガンに、県内各地での健康診断や健康増進活動を積極的に展開しています。また、地域のお祭りである小満祭と一体化した病院祭は、病院全体が飾り付けられ、職員による演劇や演奏、医療トピックスの紹介、出店などで賑わいます。
地域医療への貢献
「農民とともに」というスローガンのもと、地域のニーズに応じた医療を提供し、農村医学という分野を確立しました。1969年には、第4回国際農村医学会議が佐久総合病院で開催されました。また、地域医療を担う人材育成のため、農村医科大学の設立を目指しました。これらの活動は、若月俊一の「村で病気とたたかう」、南木佳士の「信州に上医あり」に詳しく記されています。病院内には演劇班や吹奏楽団などの文化活動も盛んで、屋上から聞こえる応援団の練習は、夏の風物詩となっています。地域ケア科では、訪問診療や訪問看護を中心に、高齢者や終末期患者の在宅生活を支えています。小海分院を中心とした周辺診療所への医師派遣を通じて、地域医療ネットワークを構築し、過疎地域の医療と福祉を支援しています。臨床研修病院としても長い歴史を持ち、地域医療を志す多くの医師が集まっています。
国際交流とプライマリヘルスケア
プライマリヘルスケアの確立と、中国をはじめとする発展途上国への国際保健医療への貢献も重要な柱としています。佐久病院の活動を学ぶため、アジア諸国からの視察が後を絶ちません。海外医療協力の経験を持つ職員も多く、国際的な活動も活発です。かつては、職員が病棟、外来、地域活動に5：3：2の割合で力を注ぐという方針がありましたが、現在は専門分野の細分化や地域ケア部門の独立により、この原則は薄れつつあります。
メディコポリス構想
佐久総合病院は、保健・医療・福祉を軸とした地域づくりを目指す「メディコ・ポリス」構想を推進しています。これは、高齢者と若者を対象に、医療・福祉システムの整備、教育施設の充実、住民の生計を確保できる産業の振興を目的とし、農業、林業、観光などの産業と連携した公共事業です。地域に根ざしたNPOや行政機関と連携しながら、地域のニーズに応えるさまざまな活動を展開しています。
先端医療への取り組み
開設当初から、脊椎カリエスの手術や癌の放射線治療など、先進的な医療に積極的に取り組んできました。特に、内視鏡治療分野では、Hookナイフを用いたESD（内視鏡的粘膜下切除術）の第一人者である小山恒男医師がおり、この分野で世界トップクラスの技術を有しています。佐久病院でのESDライブデモンストレーションセミナーは、国内外から多くの内視鏡医や技師を集める恒例行事となっています。その他にも、開頭クリッピング術、開心術、腎臓移植などの高度医療も提供しています。
分院・関連施設
南部地域の拠点である小海分院をはじめ、小海診療所、老人保健施設、宅老所、訪問看護ステーション、看護専門学校などの関連施設があります。また、周辺の国保診療所への医師派遣も行い、本院や福祉施設と連携した医療福祉サービスを提供しています。
人材育成
地域医療を担う医師を育成するため「農村医科大学」の構想がありましたが、実現には至っていません。しかし、農村医学研修センターでの専門職の再教育、初期および後期研修医の育成、付属看護学校での看護師養成に力を入れています。2008年には、看護学科を持つ佐久大学が開設されました。初期臨床研修先としても人気があり、毎年多くの研修医を受け入れています。毎年夏には、「農村医学夏季大学」が開催され、地域医療に貢献した人に贈られる若月賞の発表などが行われています。
ドクターヘリ事業
2005年からは、信州ドクターヘリが常駐し、東信地区の救急医療拠点としての役割も担っています。現在は佐久医療センターから離着陸を行っています。
再構築計画
開設から60年以上が経過し、施設の老朽化が進んでいたため、再構築計画が進められてきました。現在の病院機能を維持しながら現地での再構築は困難と判断され、佐久市北中込の市街地に隣接する土地に、高度医療を担う基幹高度医療センターを新築し、臼田地区には地域医療センターを改築する方針が決定しました。計画は一時難航しましたが、地域住民の理解を得て、2014年3月1日に佐久医療センターが開院しました。臼田の本院でも老朽化した病棟の解体と施設増築が進められています。
診療科目
総合診療科、内科、神経内科、外科、形成外科、脳神経外科、整形外科、皮膚科、歯科口腔外科、放射線科、心療内科、胃腸科、小児科、アレルギー科、産科婦人科、耳鼻咽喉科、眼科、泌尿器科、精神科、リハビリテーション科、麻酔科など幅広い診療科を擁しています。
歴史
1944年の開設以来、数々の変遷を経て現在に至ります。1945年には、若月俊一医師が外科医長として赴任し、病院の発展に大きく貢献しました。1959年の八千穂村全村健康管理の開始、1969年の第4回国際農村医学会議の開催、1976年の若月院長のマグサイサイ賞受賞など、歴史的な出来事を経て、地域医療の中核として発展してきました。2014年には、佐久医療センターが開院し、新たな歴史を刻んでいます。
各種指定
保険[[医療機関]]、労災保険指定医療機関、生活保護法指定医療機関など、多くの指定医療機関として認定されています。
病棟・設備
一般病床、ICU、療養型病床、精神科病床、感染症病床、人間ドックなど、合計779床の病床数を有しています。関連施設を含めると約1,200床になります。
ネットワーク・関連施設
佐久医療センター、小海分院、小海診療所をはじめ、健康管理センター、老人保健施設、看護専門学校、佐久大学看護学部などの関連施設があります。
最寄りの駅
JR小海線臼田駅から徒歩10分、JR北陸新幹線佐久平駅から車で20分です。
バス
佐久総合病院と臼田駅を結ぶ送迎タクシーが運行しています。千曲バスも利用可能です。
関連項目
全国厚生農業協同組合連合会、佐久医療センターなどが関連します。
外部リンク
JA長野厚生連佐久総合病院（本院）、JA長野厚生連佐久総合病院 佐久医療センター、JA長野厚生連佐久総合病院 小海分院の公式サイトをご覧ください。
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