芝浦駅

芝浦駅について

芝浦駅（しばうらえき）は、かつて東京都港区海岸三丁目に存在した貨物専用の鉄道駅で、国鉄東海道本線貨物支線に属していました。この駅は主に貨物の輸送に特化しており、開設当初は東京港の日の出埠頭にありましたが、その後芝浦埠頭に移転しました。これに伴い、駅の構造も変化し、専用線が整備されました。

駅の構造と機能

芝浦駅は、その周辺にある埠頭との連携が非常に重要でした。駅構内には車扱貨物専用のホームが併設され、一般貨物や荷物を有蓋車から積み降ろす機能を持っていました。埠頭に隣接する倉庫も多く存在し、これらの倉庫への専用線や構内側線が整備されていました。船舶から運ばれた貨物は、一旦倉庫に運ばれた後、有蓋貨車に積み込まれて鉄道による輸送が行われるという流れが確立されていました。また、セメント関連の輸送も行われており、日本セメント（現：太平洋セメント）や宇部興産の専用線が駅に接続していました。

歴史的背景

東京港の整備は、関東大震災後に進められ、特に昭和初期には芝浦埠頭や竹芝埠頭などが完成しました。東京市はこれら埠頭への鉄道の必要性を認識し、鉄道省との交渉を通じて1926年に芝浦臨港線の建設に合意しました。1930年に駅が開業した際には、すでに多くの貨物が取り扱われており、専用線も整備されていました。

戦後、東京都が港湾の整備を進めるようになり、芝浦線と日の出線の運営が始まりました。これにより、昭和36年と昭和40年にはそれぞれの線が正式に開業し、より効率的な貨物輸送が行える体制が整いました。

運転形態の変遷

当初芝浦駅は、汐留駅から浜松町駅にかけてスイッチバック運転を行っていましたが、1962年に線形の修正が行われ、直接的な進入が可能になりました。これに伴い、駅自体も日の出埠頭から芝浦埠頭へと移転しており、効率的な貨物処理が行われるようになったのです。

衰退と廃止

しかし、1980年代に入り、トラック輸送の普及やコンテナ輸送の登場により、鉄道による貨物輸送は次第に衰退していきました。この流れは、当駅に接続する汐留駅の廃止にも影響を与え、1985年には芝浦駅自体も廃止されることになりました。この際、関連する東京都港湾局の専用線も同時に廃止されました。

現在、かつての芝浦駅跡地には、東京臨海新交通臨海線（ゆりかもめ）が敷設されており、芝浦ふ頭駅も新たに開設されています。かつての貨物輸送の拠点であった芝浦駅の歴史は、東京港の発展とともに語り継がれています。

年表

• - 1930年8月1日: 貨物駅として開業。
• - 1950年3月29日: 連合軍関連貨物の取扱を開始。
• - 1961年4月1日: 東京都港湾局芝浦線開業。
• - 1985年3月1日: 駅を廃止、専用線も廃止。

このように、芝浦駅は日本の鉄道貨物輸送において重要な役割を果たした歴史を持つ駅でした。

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