芝田米三

芝田米三: 日本の洋画家の足跡

芝田米三（しばた よねぞう、1926年9月12日 - 2006年5月15日）は、日本の洋画家として知られており、金沢美術工芸大学の教授を務め、日本芸術院会員としても活躍しました。彼の芸術は、動物や人物を描いた幻想的なスタイルで、多くの評価を受けています。位階は従四位に叙され、功績が称えられました。

経歴

芝田は京都に生まれ、1939年には京都商業学校に入学し、今井憲一に油絵を学び始めます。しかし、戦局が厳しくなったため、彼は軍に召集されます。戦後、彼は独立美術京都研究所で須田国太郎に師事し、画家としての成長を遂げました。1950年には独立展で独立賞、さらにサロン・ド・プランタン賞を受賞し、1963年には安井賞に輝きました。彼は1974年からの安井賞選考委員や日伯美術連盟評議員を務め、国際的な舞台でも活躍しました。1999年には勲三等瑞宝章を授与され、没後には従四位に叙されるなど、その功績は広く認められています。

画風

芝田の作品は、幻想的でありながら具象的なスタイルが特徴です。美術評論家の池田弘によれば、彼の作品は「愛」に満ちた安らぎの世界を表現しており、日常生活の中にある本質を見逃さない豊かで健康的な生き方が反映されています。このような生活態度が、彼の描く動物や人物に深い意味を与えています。

代表作品

樹下群馬

1963年第31回独立展に出品され、安井賞を受賞した「樹下群馬」は、抽象と具象が揺れ動く当時の日本洋画壇において、画家自身の思想を具現化した作品です。芝田は「絵は具象でなければ思想は表現できない」と語り、その思想は自然をしっかりと見つめることで生まれると述べています。また、この作品では馬をメインモチーフとし、生命感を表現したいという思いが込められています。美術評論家の村木明は、野生美に溢れたこの作品が、芝田の地位を確立した代表作であると評価しています。

春夏秋冬

1976年に発表された「春夏秋冬」は、四季をテーマにした作品で、各季節を表現する四人の人物が描かれています。この作品は、屏風の形を取る構成になっており、それぞれが独立した主題を持ちながらも、大木が画面全体に統一感を与えています。村木明は、この作品が芝田の表現世界を代表すると述べています。

めざめる大地

1979年の「めざめる大地」では、芝田のシンボル的な女性像が描かれ、藤子夫人との取材旅行の際の感動が反映されています。彼は美しい風景を夫人に見せることを望み、大自然の営みから深い感銘を受け、この作品を生み出しました。

樂聖讃歌

1994年には「樂聖讃歌」を発表し、音楽家をテーマにした作品で日本芸術院賞を受賞しました。この作品は、彼の円熟期を象徴するものであり、音楽への情熱が見事に表現されています。

女性像の作品について

芝田は多くの若い女性像を描き、それが画画の古典的なテーマであることを認識しています。彼は自然と人間のドラマ性に魅了され続け、多様な作品を生み出しました。1984年から1987年にかけては「婦人公論」の表紙画を担当するなど、広くその名声を得ました。

これらの作品を通じて、芝田米三は日本の洋画界に不朽の足跡を残しました。彼の幻想的な表現は、今なお多くの人々を魅了し続けています。

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