花のイチイチ組

花のイチイチ組（はなのいちいちぐみ）

「花のイチイチ組」とは、大相撲界において、平成11年度（平成11年4月2日から平成12年4月1日までの間に生まれた世代）に属し、かつ関取（十両以上の地位）の経験を持つ力士たちのことを指す総称です。この呼称は、過去の特定の生まれ年に活躍した力士たちを指す際に用いられてきた伝統的なものであり、特に平成4年度生まれの力士たちを「花のヨン組」と呼んだことに由来し、それに続く有望な世代として名付けられました。

この世代に属する力士たちは、まだ20代半ばと比較的若いながら、既に相撲界の主要な舞台で目覚ましい活躍を見せています。特に十両以上の地位に昇進した力士は、以下に挙げる10名が知られています（括弧内は生年月日と最高位、記載は令和7年1月時点での現役力士を含みます）。

尊富士 弥輝也（平成11年4月9日生、最高位：東前頭4枚目）
川副 圭太（平成11年4月10日生、最高位：東十両13枚目）
豊昇龍 智勝（平成11年5月22日生、最高位：第74代横綱）
白熊 優太（平成11年5月25日生、最高位：東前頭16枚目）
風賢央 厳太（平成11年6月4日生、最高位：東十両11枚目）
嘉陽 快宗（平成11年7月14日生、最高位：東前頭16枚目）
琴勝峰 吉成（平成11年8月26日生、最高位：東前頭3枚目）
栃大海 雄（平成11年10月12日生、最高位：東前頭18枚目）
羽出山 将（平成11年11月5日生、最高位：西十両10枚目）
王鵬 幸之介（平成12年2月14日生、最高位：西関脇）

「花のイチイチ組」世代は、その若い年齢にもかかわらず、既に複数の力士が相撲界の頂点に近い地位に到達し、歴史的な記録を打ち立てています。第74代横綱となった豊昇龍や、幕内最高優勝を成し遂げた尊富士、そして優勝決定戦に進出した経験を持つ王鵬など、実力と実績を兼ね備えた力士が揃っています。特に尊富士が新入幕の場所で成し遂げた幕内最高優勝は、実に110年ぶりの快挙であり、相撲史にその名を刻む出来事となりました。

この世代の特徴として、番付上の地位にとどまらない高い知名度を持つ力士が多い点が挙げられます。豊昇龍は第68代横綱朝青龍の甥、王鵬は第48代横綱大鵬の孫という相撲一家の出身であり、入門当初からその血統ゆえに大きな注目を集めてきました。また、尊富士も前述の新入幕優勝という偉業を通じて、一躍その名を全国に知られることとなりました。このように、彼らの活躍はメディアでも大きく取り上げられ、相撲ファン以外にもその存在が広く認識されています。

一方で、「花のヨン組」などの先輩世代と比較すると、三役（関脇・小結）以上の地位に昇進した力士は、横綱・豊昇龍と関脇・王鵬の二人に限られており、世代全体の更なる番付上昇が期待される段階とも言えます。しかし、若さゆえの伸びしろは大きく、今後多くの力士が上位陣に名を連ねていく可能性を秘めています。

なお、同じ平成11年に生まれていても、日本の学校制度に基づく学年の区分が異なるため、「花のイチイチ組」の範疇には含まれない力士も存在します。例えば、幕内経験者の狼雅や、十両経験者の栃武蔵、宮乃風などがこれにあたります。

「花のイチイチ組」は、個性豊かで実力も伴う力士たちが集まった注目度の高い世代です。今後の彼らの活躍は、大相撲の未来を占う上で非常に重要なものとなるでしょう。

関連項目

花のニッパチ組
花のサンパチ組
花の六三組
花のロクイチ組
* 花のヨン組

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