花唄メモワール

花唄メモワール

一ノ瀬けいによる漫画作品『花唄メモワール』は、『まんがタイムきららフォワード』（芳文社）にて2022年12月号より連載されています。2024年には「次にくるマンガ大賞」コミックス部門にノミネートされ、注目を集めました。

あらすじ

高校3年生の夏休み、主人公の佐々木梅は、曽祖母の頼みで旅館「花瀧屋」の手伝いをするため田舎へ帰ります。その夜、露天風呂で足を滑らせた梅は、なんと大正12年の花瀧屋へタイムスリップしてしまうのです。

そこで出会ったのは、花瀧屋の芸妓である藤野。彼女に助けられた梅は、大正時代の花瀧屋で住み込みとして働くことになります。一度は現代に戻るものの、現代の花瀧屋で藤野が1年後に滝へ身を投じたという新聞記事を発見。藤野の身に何があったのかを突き止め、彼女を救うため、梅は再び大正時代へと向かいます。

登場人物

現代

佐々木 梅（ささき うめ）
本作の主人公。2月10日生まれの17歳。曽祖母のイネから貰った梅の花の髪留めをしています。進路に悩む高校3年生の夏、花瀧屋での手伝いをきっかけに不思議な体験をします。料理が得意で子供好き。大正時代では藤野に恩返しをしようと奮闘します。
立花 イネ（たちばな イネ）
梅の曽祖母で、現代の花瀧屋の女将。104歳。好物はアイスクリーム。梅には厳しく仕事を教えます。大正時代にも5歳の姿で登場し、梅に髪留めを贈ります。
巴枝（ともえ）
梅の友人。歴史好きで、社会科の教師を目指しています。

大正時代

藤野（ふじの）
花瀧屋の芸妓。6月14日生まれの18歳。露天風呂に現れた梅を助け、何かと手助けをします。梅の思いを汲み、『夏菖蒲』の舞を披露します。
アイリス
花瀧屋に客として訪れた少女。母親を亡くし、父親によって花瀧屋へ。当初は寂しさから心を閉ざしていましたが、梅や藤野と触れ合ううちに心を開いていきます。
立花 イセ（たちばな イセ）
花瀧屋の女将。梅に住み込みで働くことを許可します。厳格な人物ですが、花瀧屋の従業員とお客様のためには全力を尽くします。
椿（つばき）
花瀧屋の仲居。本名は立花チル。イセの従姉妹。新しいもの好きでミーハーな性格です。つらい過去を持つ。
吉野 竹子（よしの たけこ）
小説家志望の女性。巴枝と容姿が似ています。花瀧屋に滞在し、アイリスの家庭教師をします。
桐喜（とき）
花瀧屋の板前。本名は間宮多喜子。過去の出来事により、顔に傷を負っています。
前田 和奏（まえだ わかな）
花葵女学校の生徒。桐喜の後輩。桐喜を探して花瀧屋へやってきます。
ジャン・ロベール
アイリスの父親。花瀧屋にアイリスを預け、後に迎えに来ます。
立花 ハツナ（たちばな ハツナ）
イセの義姉で、花瀧屋の先代女将。イネの母親。

作中の舞台

花瀧屋
花山にある旅館。従業員は花の名前の仮名を使っています。モデルは会津若松市の東山温泉にある旅館「向瀧」。
ふじみの滝
花山にある温泉滝。以前は湯の瀧と呼ばれていました。

『花唄メモワール』は、タイムスリップというファンタジー要素を交えながら、旅館を舞台にした温かい人間模様を描いた作品です。大正時代のレトロな雰囲気や、美味しそうな料理の描写も魅力的。時代を超えた友情や、困難に立ち向かうヒロインの姿に、きっと心惹かれるでしょう。

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