花堂純次

花堂 純次



花堂 純次(はなどう じゅんじ)は、1955年12月4日宮崎県宮崎市で生まれた日本の映画監督です。映像分野のみならず、地域の文化振興や武道といった多様な活動で知られています。

来歴



宮崎県立宮崎南高等学校を卒業後、1978年に日本大学藝術学部映画学科を修了しました。高校時代には、映画研究部と弓道部の両方で部長を務めるなど、早くから多角的な才能の萌芽を見せていました。大学在学中から映像制作の現場に携わり、助監督としての経験を積んだ後、テレビ局でAD(アシスタントディレクター)やAP(アシスタントプロデューサー)を務めました。こうした経験を経て、テレビドラマ『愛の嵐』で監督デビューを果たし、そのキャリアを本格的にスタートさせました。

テレビドラマでの活躍



デビュー以降、花堂監督は数多くのテレビドラマの演出を手がけてきました。特に、泉放送制作やユニオン映画に在籍していた時期には、視聴者の心をつかむ人間ドラマを多数生み出しました。『愛の嵐』を皮切りに、『華の嵐』、『夏の嵐』といった「嵐」シリーズをはじめ、多岐にわたるテーマの作品を手がけました。中でも、2000年に放送された『永遠の仔』は、その完成度の高さから第38回ギャラクシー賞や第18回ATP賞テレビグランプリを受賞するなど、高い評価を得た代表作の一つです。

映画監督として



テレビドラマでの実績を基盤に、花堂監督は劇場映画にも活躍の場を広げました。2001年には『羊のうた』で劇場映画監督デビューを果たし、東京国際映画祭にも正式出品されました。その後も、『夢追いかけて Touch a Dream 浜名湖発 学び座』(2003年)、『不良少年(ヤンキー)の夢』(2005年)、『あなたを忘れない』(2007年)といった作品を発表し、国内外の映画祭にも招かれました。2022年には『大阪男塾・炸』を監督。2023年の最新作『蠱惑の瞳 ALLURE』は、サレルノ国際映画祭をはじめとする24以上の映画祭で、作品賞や監督賞、主演賞など数々の賞に輝く国際的な成功を収めています。

新しいメディアへの取り組み



時代の変化に柔軟に対応し、花堂監督は新しい映像表現にも意欲的に挑戦しています。2023年の映画『蠱惑の瞳 ALLURE』はNetflixでの配信が予定されており、多くの視聴者に届けられる機会を得ています。また、2024年秋からは、携帯アプリを通じた新しいジャンルである縦型動画の製作にも参画。和雅文化と提携し、新たな映像の可能性を追求しています。2025年5月には、配信ドラマ『ケーキ職人のワタシが大富豪と偽装結婚した話』の配信が開始される予定です。

文化活動と地域貢献



自身の活動を通じて、文化や地域社会への貢献も積極的に行っています。2007年4月には、故郷である宮崎県から「みやざき大使」に任命され、県の魅力を発信しています。また、宮崎県の銀鏡(しろみ)に古くから伝わる古神道系の滝行作法を学ぶなど、地域の伝統文化への深い関心も示しています。2019年からは、地域創生を目指す「熱中小学校」の講師として招かれ、次世代の育成にも力を入れています。さらに、株式会社CLEOの「DIrectors.Club」のスーパーバイザーとして、文化庁が主催する「若手映画作家育成支援ndjc」を応援するなど、後進の育成支援にも情熱を注いでいます。

武道家としての一面



映像制作活動と並行して、花堂監督は長年にわたり武道の鍛錬を続けています。大東流合気柔術佐川派での修行からその道を究め、現在は「一宇会・合気柔術」の師範として後進の指導にあたっています。武道を通じて培われた精神性や身体感覚は、映像表現にも影響を与えていると考えられます。

主な作品



映画



羊のうた2001年
夢追いかけて Touch a Dream 浜名湖発 学び座(2003年)
不良少年(ヤンキー)の夢(2005年)
あなたを忘れない(2007年
大阪男塾・炸(2022年)
蠱惑の瞳 ALLURE(2023年)

テレビドラマ



愛の嵐(1986年)
華の嵐(1988年)
愛無情(1988年)
華の別れ(1989年)
夏の嵐(1989年)
ラストダンス(1990年)
ホテルウーマン(1991年)
ウーマンドリーム(1992年)
世にも奇妙な物語「奇跡を呼ぶ男」(1992年)
誘惑の夏(1993年)
オレたちのオーレ!(1993年)
我慢できない!(1995年)
もう我慢できない!(1996年)
砂の城(1997年)
失楽園(1997年)
彼(1997年)
はれ時々くもり(1999年)
永遠の仔(2000年)
別れさせ屋2001年
孤独の歌声2007年
ゆっくり歩け、空を見ろ(2008年)
戦力外通告(2009年)

オリジナルビデオ



稲川淳二のホラー・ビデオ パンドラの箱「人形霊(だま)の呪い」(1992年)
ロンタイBABY(1997年)

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