花村菊江

花村菊江（はなむら きくえ）は、1938年5月20日に生まれ、2011年9月29日に逝去した日本の演歌歌手です。本名は伊藤幸子（いとう さちこ）で、元プロ野球選手の伊藤幸男氏を夫に持ちました。

東京都出身の花村は、1955年に第6回コロムビア全国歌謡コンクールで入賞したことがきっかけで、日本コロムビアの専属歌手となりました。翌1956年に「いつも貴方のことばかり」でデビューを果たし、1957年の「花の奴さん」で初のヒットを記録。1960年には「潮来花嫁さん」が空前の大ヒットとなり、その年のNHK紅白歌合戦に初出場を飾りました。翌年も紅白に出場するなど、人気歌手としての地位を確立しました。

2000年には新曲「潮来母情」を発表し、その後も精力的に活動を続けました。2005年には、自身の代表曲である「潮来花嫁さん」の記念碑が、茨城県潮来市に建立されました。

2011年6月には、東日本大震災のチャリティーコンサートを潮来市で開催し、「潮来花嫁さん」「潮来の雨」などを披露し、健在ぶりを示しました。しかし、その約3ヶ月後の同年9月29日、くも膜下出血のため東京都内の病院で急逝。73歳という若さでした。

花村の訃報を受け、潮来市の柗田千春市長は「潮来を心から愛していた花村様を失い、市民にとっても大きな悲しみとなります」とコメントを発表。同年12月には、潮来市と水郷潮来観光協会の主催で「ありがとう菊江さん――花村菊江さん感謝の会」が開催され、多くのファンが彼女の死を悼みました。

花村菊江の代表曲としては、「花の奴さん」「潮来花嫁さん」のほか、「そよ風道中」（ドラマ『琴姫七変化』主題歌）、「潮来の雨」「木曽の花嫁さん」「下田夜曲」「相惚れ道中」（勝新太郎とのデュエット）、「船頭可愛や」「ひなげし小唄」「オホーツクの海」「しあわせだから」「おんな無法松」などがあります。

彼女の歌声は、多くの人々の心に深く刻まれており、その功績は色褪せることなく、後世に語り継がれていくでしょう。

NHK紅白歌合戦出場歴

1960年：初出場
1961年：2回目

主なテレビ番組出演歴

金曜メガTV「私の心の歌 思い出のヒットパレードPART2」（フジテレビ、1997年3月14日）
徳光和夫の感動再会"逢いたい"（TBS、2008年10月30日）
* NHK歌謡コンサート（NHK総合、2009年4月7日）

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