花柳芳次郎

花柳芳次郎の系譜

花柳芳次郎（はなやぎ よしじろう）は、日本舞踊の一流派である花柳流において特別な名跡です。この名跡は、花柳流を創設した初代花柳壽輔の名前に由来しており、代々の家元の地位に次ぐ由緒あるものとされています。現在、六代目芳次郎が五代目壽輔を襲名した後、名跡は空いています。

初代芳次郎

初代芳次郎は、後に初代花柳壽輔となる人物です。彼は6歳の時に西川扇蔵に弟子入りし、「芳松」という名を名乗ります。その後、7代目市川團十郎に師事し、役者として活動しましたが、天保10年（1839年）に役者を引退し、「芳次郎」として日本舞踊の世界に戻ることとなりました。この「芳」の文字は、初代芳次郎が吉原出身であったために名付けられたと考えられています。

二代目芳次郎

二代目は初代壽輔の長男で、瀬川路之丞の名で歌舞伎役者として知名度を上げました。しかし、彼は1873年に29歳という若さで病死しました。その早すぎる死は、花柳流にとって大きな損失でした。

三代目芳次郎

三代目芳次郎は初代芳次郎の養子です。1870年に生まれ、若い頃から初代壽輔のもとで舞踏家としての修練を積みました。しかし、初代壽輔の死後の1904年頃には離縁し、芳次郎の名跡は初代壽輔の養女である花柳ツルに引き継がれました。

四代目芳次郎

四代目芳次郎は、養女ツルの養子となった人物で、本名は花柳幾太郎です。彼は1909年に花柳流に弟子入りし、1926年に芳次郎として襲名しました。彼は流派の発展に尽力し、1967年には自らの長男に名を譲り、花柳芳瞠（ほうどう）に改名しました。彼の著作『夙川夜話』は評価されています。

五代目芳次郎

五代目芳次郎は四代目の長男で、すでに本名の花柳寛の名で舞台に立っていました。彼は1967年に五代目として名を受け継ぎ、流派の運営に貢献しました。また、2006年には旭日小綬章を受章しています。2007年には名跡を孫に譲ろうとしたが、急遽四代目の壽輔を継ぐことになりました。その後、自伝『舞の道』を上梓し、実績を残しました。

六代目芳次郎

現在の六代目芳次郎は五代目の妹の孫です。彼は五代目の子が無かったため、妹の子を養子として迎え入れ、2016年に家元である五代目壽輔の座を継ぎました。これにより、芳次郎の名跡は新たな世代へと引き継がれることとなりました。

まとめ

花柳芳次郎の歴史は、日本舞踊・花柳流の伝承と共に作られてきました。初代から六代目までの系譜を通じて、この名跡は多くの人々に影響を与え、今後も日本舞踊の重要な一部として存在し続けることでしょう。

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