花柳流

花柳流について

花柳流（はなやぎりゅう）は、日本の伝統舞踊の主要な流派の一つであり、全国には約2万人もの門弟が在籍しています。この流派は、五大流派の中でも最大の規模を誇ります。

来歴

花柳流の起源は、嘉永2年（1849年）にまで遡ります。創始者は初代花柳芳次郎、後に初代花柳壽輔と名乗りました。彼は元々西川流の舞踊家であり、四代目西川扇蔵の急死によって起こった宗家の相続争いで破門され、新たに「花柳」と名乗ることになります。「花柳芳次郎」として名声を得たのはこの年からであり、花柳流はこの時点で成立したとの見解が一般的です。

花柳という名称にはいくつかの説がありますが、最も広く知られているのは、芳次郎が幼少期を吉原で過ごし、その後一時期芸妓に舞を教えていた経験から「花柳の廓」に由来するとされています。

踊りの特徴

踊りのスタイルについては、二代目市川猿之助（初代猿翁）が解説しており、花柳流は他の流派と比較して細かい間のリズムが重視され、舞よりも踊りがより中心的な要素とされています。これにより、花柳流は技巧的な柔軟性や表現力に富んだ舞踊を特徴としています。また、流派の確かな技術とともに、芸能界や政財界の有力者たちが支援を行い、全国にその影響を広げていきました。古典舞踊の継承とともに、新しい舞踊を生み出すことで時代に合わせた発展を続けています。

現在の家元

今の花柳流の家元は五代目花柳壽輔であり、彼の指導のもとで流派はさらなる進化を遂げています。

花柳家の系図

花柳流の家系図には、貴彦や芳次郎との複雑な血縁関係が描かれています。直系や養子縁組の関係が示されており、流派の伝承における家族の重要性がうかがえます。

花柳流におけるお家騒動

三代目壽輔の死後、誰が四代目壽輔を襲名するかについて、花柳貴彦と三代目壽輔の後見人であった五代目芳次郎の間で激しい争いが繰り広げられました。最終的には五代目芳次郎が四代目壽輔を名乗ることになりますが、2013年7月には四代目壽輔が貴彦を流派から除名する一方で、六代目芳次郎を後継者に指名しました。

この除名処分に対して貴彦は訴訟を起こし、メディアにも大きく取り上げられることとなり、これが「花柳流お家騒動」と呼ばれることになります。東京地方裁判所は除名処分を取り消す判決を下しましたが、控訴も行われました。最終的に、最高裁は2017年に除名の無効を示す判決を確定しました。この混乱の中、貴彦は2018年5月に寿柳流を設立し、初代家元に就任しました。

参考文献と関連項目

花柳流は、日本舞踊の中でもその歌舞伎的要素と表現力の豊かさから特に注目される流派です。本流派すなわち花柳壽輔やその旧名である花柳芳次郎については、さらなる研究や情報が求められています。公式のウェブサイトもあり、興味のある方はぜひ訪問してみてください。

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