花王ソフター

花王ソフター

花王ソフターは、1962年（昭和37年）に花王が日本で初めて発売した柔軟剤です。当時、合成洗剤で洗濯した後の衣類がごわごわになるという問題がありましたが、花王ソフターはその解決策として登場しました。シャンプーの後にリンスを使用するのと同じように、洗濯後の衣類を柔らかく滑らかに仕上げることを目的として開発されました。

開発の経緯

1960年代初頭、合成洗剤の普及に伴い、洗濯後の衣類の風合いに対する消費者の不満が高まっていました。そこで花王は、衣類を柔らかくする成分を配合した柔軟剤の開発に着手し、試行錯誤の末に花王ソフターを完成させました。この製品は、洗濯後の衣類に柔軟性と滑らかさを与えるだけでなく、静電気の発生を抑え、衣類の着心地を向上させる効果もありました。

柔軟剤市場の幕開け

花王ソフターの発売は、日本における柔軟剤市場の幕開けを告げる出来事でした。花王ソフターの成功を受けて、ライオンなどの同業他社も相次いで柔軟剤市場に参入しました。1966年6月には、ライオンが柔軟剤ライオンソフターを発売しましたが、類似商号対策として、1ヶ月後の1966年7月にハミングと改名して再発売しました。初期のハミングのパッケージには、小さく「花王ソフター」の文字が書かれており、花王の柔軟剤であることを示唆していました。

同時期には、花王ブリーチも発売されており、花王は洗濯用品市場において、幅広い製品を提供することで、主導的な役割を果たしました。

業務用パッケージ

現在、花王ソフターは、主に業務用として15kg入りのBIB（バッグインボックス）で販売されています。ホームセンターなどでも見かけることがあり、一般消費者も購入することが可能です。2009年10月以降、花王のコーポレートアイデンティティ（CI）の変更に伴い、パッケージに表示されるロゴが「花王ソフター」から「kaoソフター」に変更されています。

関連製品

花王は、柔軟剤以外にも様々な洗濯用品を販売しています。代表的な製品としては、以下のものがあります。

アタック (洗濯洗剤)
ワイドハイター (衣料用漂白剤)
エマール (おしゃれ着用洗剤)

関連項目

花王製品一覧
* ハミング (柔軟剤)

花王ソフターは、日本の洗濯文化に大きな影響を与えた製品であり、その登場は、より快適な衣類を提供するための技術革新の始まりでした。

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