花輪ばやし

花輪ばやしの紹介

花輪ばやし（はなわばやし）は、秋田県鹿角市の花輪地区で毎年8月19日と20日に開催される伝統的な祭りです。この祭りは鹿角市の夏の終わりを告げる重要な行事とされており、日本三大ばやしの一つにも数えられています。

1978年に秋田県の無形民俗文化財に指定され、2014年には「花輪祭の屋台行事」として国の重要無形民俗文化財にも登録され、さらに2016年にはユネスコの無形文化遺産にも登録されました。これにより、花輪ばやしはその文化的価値が広く認識されるようになりました。2017年の観客数は約26万人に達し、地域経済にも多大な影響を持つイベントとなっています。しかし、2020年と2021年は新型コロナウイルスの影響で中止を余儀なくされ、2022年には3年ぶりに再開されました。

由来と歴史

花輪ばやしの歴史は、幸稲荷神社の祭典として1204年に遡りますが、1470年に藩主によって再建された時期の文献が焼失しており、正確な由来や背景は不明です。囃子の起源は平安時代末期で、当初は笛による楽曲が根付いたと考えられ、その後、太鼓や三味線が加わる形で発展しました。江戸時代末期には現在の祭りの形が形成されました。

祭りの特徴と行程

花輪ばやしに参加するのは、舟場元町や六日町など10の町からなる屋台です。祭りは8月16日に始まり、御輿が神社を出発し「御旅所」に安置されることからスタートします。初日の19日には、午後5時半頃から町内の豪華な屋台が出発し、駅前広場へ向かってパレードが行われます。ここで囃子の共演や審査が行われ、駅前の催しが終了すると、各町内に向けてパレードを行います。

その後、20日午前0時からは朝詰めパレードが行われ、各町内が神輿に向けて奉納演奏を行います。この時、各町内の「十八番」が演奏されるほか、奉納演奏では地域ごとの特有の楽曲が披露されます。

二日目の20日は、赤鳥居詰パレードが行われ、再び駅前広場に屋台が集結します。その後、赤鳥居行事へと進行し、おおよそ21日午前3時頃に祭典がクライマックスを迎えます。

屋台と囃子

各町内から出される屋台は「腰抜け屋台」と呼ばれ、底がなく演奏者は屋台の動きに合わせて歩きながら演奏します。また、さまざまな曲が演奏され、その中には「本囃子」という行進曲風の勇壮な曲も含まれています。現在、伝承されている囃子は12曲で、それぞれの町内に独特の曲が存在します。

また、祭りでは町境での挨拶や「けんか屋台」といった催しも行われ、各町内の屋台同士が競い合うシーンも見どころです。

交通アクセスと周辺観光

花輪ばやしを訪れる際は、JR花輪線の鹿角花輪駅が最寄りとなります。地域内の移動は便利で、八幡平ICからのアクセスも良好です。周辺には観光名所も多く、訪れる人々を魅了しています。

花輪ばやしは、地域文化を伝える貴重な行事であり、地元の人々にとっても大切な祭りであることを理解してぜひその魅力を体験してください。

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